2025年6月28日、元FolderおよびFolder5のメンバーであり、現在は歌手、俳優、そして二児の母として活躍するAKINAが、毎年恒例の「AKINA Birthday Live」を東京・渋谷のJZ Brat Sound of Tokyoで開催した。
ライブ会場となったJZ Brat Sound of Tokyoは、渋谷のセルリアンタワー東急ホテル内に位置する、高品質な音響設備を誇るジャズクラブだ。ジャズを中心に多種多様なライブが催され、洗練された雰囲気の中で音楽と食事を堪能できるため、音楽ファンに人気の高い場所となっている。
■華麗なステージとサックスの響き
AKINAは、光沢のある黒のストラップレスビスチェに、幾重にもチュールが重なりボリューム感のある白いロングスカートを合わせたモノトーンで優雅なドレスを身にまといステージに登場。
最初に披露したのはMONGOL800のカバー曲「RISE & shine」。AKINAが洗練されたテナーサックスの音色を響かせると、会場は一気に引き込まれた。
「みなさん、こんばんは!ようこそお越しくださいました。今日は短い時間ですが最後まで楽しんでいってくださいね」とAKINAが挨拶すると、オーディエンスからは温かい拍手が送られた。続いて、ミニアルバム『Flash』に収録されている「city of stars」を披露。
■新曲「B」に込められたユーモア
この日、ピアノ兼キーボードで参加した竹田麻里絵がアレンジを担当した新曲「B」が披露された。この楽曲は4月のアコースティックライブでタイトル未定ながら披露されており、その際にオーディエンスから曲名候補が募集されたという。「BLACK」「Beat」「Bad」の意味も込められた「B」に決定した経緯について、AKINAはユーモラスなエピソードを語った。
「『B』が良いなぁと思って、帰り道に『あれ? “B”って“ビビる”も入ってるな』と思って、ちょっとぉーーー」と話すと、会場からは笑いが巻き起こった。そんな和やかな空気の中、新曲「B」が演奏され、オーディエンスはジャズミュージックの魅力に引き込まれていった。
その後も「8PM」、そしてFolderのアルバム『7 SOUL』に収録されている「太陽だった」を続けて披露。
「『太陽だった』は私が小学校6年生の時の曲になります。アレンジを変えると全然違うものになるんだなと、改めて感じますね。私は元々歌って踊る所からスタートしているので、このジャズのアレンジが、また新しい曲に変えてくれます」としみじみと語った。
■サックスへの情熱と師との出会い
AKINAは自身のキャリアを振り返り、サックスとの出会いを語った。「私は97年にデビューして、その頃は小学校6年生で、安室奈美恵さんに憧れて東京に出てきたんですね。そこからいろんな事があって、今は芸歴が28年ぐらいになるんですけど、常に新人で居たいなと思ってます」と謙虚な姿勢を見せた。
続けて、サックスを始めるきっかけとなった中園亜美との出会いを語った。「あっという間に月日が流れまして、私は亜美ちゃん(中園亜美)がサックスを吹いているのがカッコいいなと思って、そこからサックスを習い始めたんです。亜美ちゃんがテナーサックスを吹いていて、終演後に声をかけて『サックス習いたいです』と言ったら、『いいですよ』と言ってくれて。そこから最初はアルトサックスから入って、やっぱり私はテナーの音がいいなと思ってテナーに切り替えて練習したんです」。
アルトサックスとテナーサックスの違い、そして自身の身長(150cm)では指が届きにくく、身体を使わないと「ド」の音が出ないという苦労も明かしたが、テナーサックスの音色への強いこだわりと情熱が伝わってきた。
続いてはジャズの名曲「Cantaloupe Island」を披露。バンドメンバーのソロセッションが続き、中園亜美がAKINAにまるでジャズの音色で会話をするかのようなセッションを要求。AKINAもアドリブで見事に呼応し、圧巻のセッションを繰り広げた。
演奏を終え、「めっちゃ疲れたんですけどぉ……。ジャズってセッションが怖いんですよぉ」と本音を漏らすAKINAに、中園亜美は「素晴らしい」と大絶賛。アドリブも見事にこなすAKINAの姿に、4年間にわたるレッスンの成果が見られ、中園亜美も大感激の様子だった。
そして、竹田麻里絵のオリジナル曲で、彼女の亡き父のために制作された「mercibeaucoup」を披露。竹田麻里絵のピアノ演奏からAKINAのサックス演奏へと続き、ジャズクラブ内に響き渡るピアノの音色は、きっと天まで届いているに違いない。
1stステージのラストは、この日のために制作された新曲「心拍数」をしっとりと披露。オーディエンスからは温かい拍手が送られた。
■2ndステージ:スペシャルゲストとの共演
AKINAのテナーサックスでのソロセッションの余韻に浸りながら、2ndステージが開演。
AKINAは左肩が大きく開いたオフショルダーのアシンメトリーなデザインの白いロングドレスを着用して再び登場した。ジャズの名曲「stress killer」が奏でられた後、今度は中園亜美のオリジナル曲「Clover」を披露し、ジャズの真骨頂を見せつけた。
2ndステージにはスペシャルゲストとしてシンガーソングライターの松本英子が登場し、「singin the high noses main」を披露。
松本英子はAKINAに「AKINA 2回目の成人式おめでとう!」と祝福。年齢は松本英子の方が年上だが、芸歴ではAKINAの方がキャリアを積んでいるため、「先輩!」とAKINAに語りかけ、「素晴らしいですよ。サックスプレイヤーじゃないですか」と大絶賛した。
松本英子も今月誕生日を迎えており、AKINAと松本英子はシークワーサーをベースにしたAKINAオリジナルカクテルで乾杯!
そして、福山雅治主演の月9ドラマ『パーフェクトラブ!』の挿入歌にもなった「Squall」を歌唱。「Squall」は1999年9月8日発売されて以降、様々なアーティストがカバーしており、福山雅治自身もセルフカバーしている。松本英子の歌声とAKINAのテナーサックスの音色が会場内に響き渡り、感動の嵐を巻き起こした。
沖縄のレジェンド、喜納昌吉の名曲「花」も披露された。AKINAと松本英子の歌声とサックスの音色で奏でる「花」に、オーディエンスは魅了されていた。
2ndステージのラストは「song for barry」を披露。AKINAは「これからも素敵な音楽を皆さんに届けて行きたいなと思っています。どうぞよろしくお願いします」と感謝の気持ちを述べた。
■感動のサプライズアンコール
会場内の拍手は鳴りやまず、アンコールで再びAKINAが登場。アンコールではAKINAと松本英子に加え、なんとシンガーソングライターの笹川美和が客席から登場した。
笹川美和は「ご両人、改めましてお誕生日おめでとうございます」と、AKINAと松本英子のバースデーを祝福。AKINAが40代に突入し、「あっという間よね。気持ちは17歳のまんまなの」と語ると、すかさず笹川美和は「それはわかる」と共感。さらに笹川美和は「天真爛漫、負けず嫌い、突き進む、純粋。すごいことよ」と語り、AKINAを褒め称えた。
アンコールではFolder5の「Believe」を披露しようとしたその時、サプライズでバースデーソングが奏でられ、バースデーケーキが登場!松本英子、笹川美和、バンドメンバー、そしてオーディエンスから祝福されると、AKINAは思わず嬉し涙を流し号泣した。
AKINAは「こうやってやり続けてると、皆さんにも会えるし、歌が励ましてくれたり、新しい出会いがあったりとかで、背中を押してもらったのも音楽でした。私も音楽で皆さんの背中を押せるように、精一杯、愛を込めて歌っていきたいなと思っています。皆さんどうもありがとうございます」とオーディエンスに感謝の気持ちを伝えた。
改めてアンコールはFolder5の「Believe」をジャズアレンジで、AKINA、松本英子、そして笹川美和の3人によるスペシャルセッション。一夜限りの豪華な共演に、オーディエンスは大感激の嵐だった。
AKINA Birthday Live
2025.6.28(土)
Open 17:00 Start 18:00
AKINA(Vo,Sax)
竹田 麻里絵(Pf,Key)
中園 亜美(Sax)
工藤 明(Ds)
堀井 慶一(Ba)
[ Guest ]
松本 英子(Vo)
[ Surprise Guest ]
笹川美和(Vo)
【セットリスト】
1st Stage
1. RISE & shine
2. city of stars
MC
3. B(新曲)
4. 8PM
5. 太陽だった
MC
6. Cantaloupe Island
7. mercibeaucoup
MC
8. 心拍数(新曲)
2nd
9. stress killer
10. Clover
MC
11. singin the high noses main (松本英子)
MC
12. squall (松本英子)
MC
13. 花(カバー) (松本英子)
14. song for barry
encore
15. believe (松本英子&笹川美和)
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