俳優が短編映画を監督するシリーズ第4弾WOWOW『アクターズ・ショート・フィルム4』。
その完成報告座談会生配信が3月5日に都内スタジオで実施され、『ハルモニア』を手掛けた千葉雄大監督、『撮影/鏑木真一』を手掛けた仲里依紗監督、『イツキトミワ』を手掛けた福士蒼汰監督、『せん』を手掛けた森崎ウィン監督が参加した。
4人が一堂に揃うのはこれがはじめて。それだけに4名の監督陣はどこかソワソワして「同じ出演作の中で会うという機会はあるけれど、4つの別の作品でこうして会うのは経験がないこと。とても不思議」と福士監督が言うと、3名の監督も照れ笑い。福士監督が「リラックスしてやりましょう!」とリーダーシップを取って座談会はスタートした。
一ノ瀬颯らが出演する群像劇『ハルモニア』を手掛けた千葉監督。『アクターズ・ショート・フィルム』への監督参加は『あんた』に続いてこれで2度目となるが「2回目だからといって慣れはないですね」としつつも「前回と同じスタッフさんが多かったのもあり、話しやすさの面では2回目ならではのやりやすさがありました」と手応えを明かした。また福士監督から「物語の構成的に見ても上手だと思った」と褒められると、千葉監督は「前回は編集や音入れや色を決めるなどの撮る以外のことは見てこなかったので、そういう意味では2回目だったので良かったのかもしれない」と返答。また脚本を書いている時の自分と監督を務めている時の自分の違いについては「自分は別人格でしたね」と説明していた。
お笑いトリオ・ロバートの秋山竜次がシリアスな芝居を見せる『撮影/鏑木真一』を手掛けた仲監督。ホラージャンルに挑戦した理由を聞かれると「私は普段からホラーしか見ないので、監督のオファーが来た時に『やるならばホラーだ』と思った」とし、主演に秋山をキャスティング した理由については「秋山さんが大好きで私が大ファンだから。今回はただただ私の好きなことをしただけの作品です」と明かして笑わせた。また森崎監督から「秋山さんを何故喋らせなかったのか?」と秋山のセリフをゼロにした理由を問われると、「秋山さんはお忙しいからセリフを覚える時間はないだろうと思って。このスケジュールでは無理だと秋山さんに断られたくなかったので、秋山さんの負担をそぎ落とした結果、セリフをなくしました」と驚きの事実が。千葉監督はこの事実に驚きつつ「秋山さんが喋らないのが逆に怖かった!」と仲監督が意図していない恐怖効果に怯えていた。
清水尋也と芋生悠が共演するビターなラブストーリー『イツキトミワ』を手掛けた福士監督。監督デビューながらも「現場で演出している時が本当に楽しかった。僕は自分の想いを伝える時にどんな言葉にしたら人に伝わりやすいのかを常に考えているので、今回の監督業はそれがそのまま活きた気がします」と手応えあり。森崎監督から「福士監督はコミュニケーション能力が高い方なので、現場での様子が想像できます」と言われると「演出を伝える中で俳優さんが変わっていく様子が嬉しかった」と嬉々としていた。また福士監督は音楽にもこだわったといい「冒頭の曲を逆再生すると実はラストに流れる曲になる。音楽にもギミックがあるんです」と打ち明けると、仲監督から「なんだか匂わせみたい!」とイジられていた。
中尾ミエを主演に、田舎に住む老婆の日常をミュージカル調で描く『せん』を手掛けた森崎監督。「僕にはオリジナルミュージカルの映像作品が日本で増えたらいいという思いが強くあるので、今回の監督オファーをいただいた際は『ミュージカルで!』の一点張りで通しました」と念願叶った様子。初監督業については「俳優の時とは違う筋肉と違う脳みそが疲れた。でも楽しかった思い出ばかりです」と違いを感じたそうで、ミュージカルシーンについては「現場で歌の音を録る。後日アフレコしない。それが今回の撮影で決めていたルール。俳優の皆さんには苦労をかけたけれど、事前に準備が出来たので現場ではスムーズに行きました」と報告。福士監督から「冒頭のショットが良かった」とドローンでの撮影を褒められると「あのドローン、実は自前です」と打ち明けて3監督を驚かせて「ドローンを飛ばすには国に登録をしなければいけないので、しっかりと登録してちゃんと事前に撮影許可も取りました」と胸を張っていた。
また視聴者からの「俳優としてどの監督の作品に出たいか?」という質問に、千葉監督は森崎監督を選んで「僕はミュージカルが好きなので、ミュージカルで日常を描いた作品に出てみたい」といい、福士監督も「森崎監督はパッションが気持ちいいので、監督として一緒に仕事をしてみたい」と興味津々。そんな森崎監督は「千葉監督の作品からはパワーを感じたので、そんな現場で演じて自分も人々にパワーを届ける一員になってみたい」と千葉監督を指名した。他方、仲監督は千葉監督を指名するが「選んだ後に『セリフが長いかも』と思って後悔しています」と笑わせて、千葉監督が「じゃあ、セリフのない役で…」と冗談めかすと、森崎監督も「その気持ちわかる!僕も長いセリフ嫌だもん!」とジョークを飛ばして全員大爆笑となった。
「私は誰かに指示するよりも、指示されてやる方が向いている」という仲監督以外は、次なる監督業に前向き。森崎監督は「今回とはまた違った視点でミュージカル映画を作りたい。登場人物も増やして撮影日数も増やしてほしい」と製作陣にアピール。福士監督も「実はもう次のプロットがあったりして…。アイデアが降って来ちゃうのよ!」とかなり具体的。千葉監督は「監督をやりたい気持ちはあるけれど、僕は書く方が好きなので監督よりも脚本をやってみたい。ジャンルはファンタジー」と言うと、すかさず仲監督は「それもセリフが長いのかなあ?」と冗談めかして、森崎監督も「セリフもそうだし、CGも大変だと思うよ!」と心配していた。
1時間以上に渡る座談会もあっと言う間に終了。最後に千葉監督は「深いことは考えずに『ハルモニア』を観て明日も頑張ろうと思ってもらえたら嬉しい」、仲監督は「ホラーが苦手な人も多いかもしれないけれど、苦手な人でも観られる内容です」、福士監督は「登場人物を魅力的に撮りたいと思った作品」、森崎監督は「4作品あるので、それぞれの監督の頭の中を覗いてもらえたら嬉しいです」と視聴者に呼び掛けていた。
本イベントの模様は、WOWOWオンデマンドと https://wod.wowow.co.jp/program/192735
WOWOWofficial YouTubeチャンネルにてアーカイブ配信中。
そして『アクターズ・ショート・フィルム4』は、WOWOWオンデマンドで全作品配信中、
3月8日(金)よりWOWOWプライムにて1作品ずつ順次放送となります。是非ご覧ください!
『アクターズ・ショート・フィルム4』
WOWOWオンデマンドで全作配信中!
3月8日(金)より毎週1本ずつ放送! WOWOWプライム
・3月8日 (金) 午後11:30~ 千葉雄大監督作
・3月15日(金) 午後11:30~ 仲里依紗監督作
・3月22日(金) 午後11:30~ 福士蒼汰監督作
・3月29日(金) 午後11:30~ 森崎ウィン監督作
監督:千葉雄大、仲里依紗、福士蒼汰、森崎ウィン(※五十音順)
主演:一ノ瀬颯・秋山竜次・清水尋也・芋生悠・中尾ミエ・鈴木伸之(※監督の五十音順)
チーフプロデューサー:射場好昭/プロデューサー:樋浦悠真、宮田幸太郎、和田圭介
制作プロダクション:スタジオブルー 製作著作:WOWOW
番組情報: https://www.wowow.co.jp/detail/192734
番組公式X(旧Twitter):https://x.com/asf_wowow
番組公式インスタグラム:https://www.instagram.com/asf_wowow
関連番組情報
◆事前ドキュメンタリー番組 千葉雄大×仲里依紗×福士蒼汰×森崎ウィン 密着映像初公開!本格短編映画を監督
「アクターズ・ショート・フィルム4」人気俳優たちが映画で世界を目指す!
WOWOWオンデマンドで配信中
◆4監督個別インタビュー&メイキング
それぞれの監督の挑戦を追いかけたメイキングと個別のインタビューを配信。より深く作品の世界をお楽しみください。
・「アクターズ・ショート・フィルム4 監督インタビュー」
・「メイキング・オブ・アクターズ・ショート・フィルム4」
WOWOWオンデマンドにて配信中
映画本編やドキュメンタリー・メイキングを視聴するならこちらhttps://wod.wowow.co.jp/program/192734
『アクターズ・ショート・フィルム』とは?
映画史上BESTにもあげられる『市民ケーン』は、俳優オーソン・ウェルズが25歳のときに監督・出演した作品である。以来、北野武、クリント・イーストウッドにいたるまで、俳優が名監督となる例は多い。今のここ日本でも、若手俳優らが監督に挑戦し、成果をあげはじめている。監督の意図を最もよく理解し表現できる俳優は、監督としての才能をも埋蔵した存在なのだ。 〝映画のWOWOW〟が開局30周年を記念し、俳優たちと立ち上げたショート・フィルム・プロジェクト。目指すは「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」のグランプリ受賞、そしてその先へ…。
【ルール】 1.尺は25分以内 2.予算は全作共通 3.原作物はなし 4.監督本人が出演すること
各作品あらすじ
■『ハルモニア』 監督・脚本:千葉雄大
出演:一ノ瀬颯、工藤遥、ヒコロヒー、近藤辰哉、山崎樹範
俳優のよしあき(一ノ瀬颯)の誕生日、気の置けない仲間たち(工藤遥、ヒコロヒー、山崎樹範)が集まってくる。それぞれ違う人生を歩みながら、わかりあえる最良の関係。その帰り道、仲間のひとりに哀しい知らせが飛び込んでくる。
■『撮影/鏑木真一』 監督:仲里依紗 脚本:山咲藍
出演:秋山竜次(ロバート)、寛一郎、杉本哲太
週刊誌のカメラマン鏑木(秋山竜次)は、特ダネを連発した過去をもつが、スキャンダルを暴露し女優を死に追いこんでしまう。スランプに陥った鏑木は、上司や同僚(杉本哲太、寛一郎)に再起を誓うが、ある日、追いかけていたアイドルの情報をタレコミする発信元不明のメッセージを受け取る。
■『イツキトミワ』 監督・脚本:福士蒼汰
出演:清水尋也・芋生悠、伊澤彩織、木村了、小澤征悦肉体労働で家計を支え、かつて美大進学を目指していた一葵(清水尋也)は、ギャラリーで自分の作品を見つめる三羽(芋生悠)と出会う。徐々に親密になる二人だが、それでもとけない壁がある。満月の夜に二人は、一歩踏み込んだ話を始めるが...。
■『せん』 監督:森崎ウィン 脚本・作詞:上田一豪
出演:中尾ミエ・鈴木伸之 声:津田健次郎
田舎暮らしをするおばあさん(中尾ミエ)のいつもの一日が始まる。ちゃぶ台で役場の若者(鈴木伸之)と朝食をとり、縁側で配達員とお茶飲み話をする。そんないつもと変わらない日常に、微細な不協和音が聞こえてくる。







