映画「きさらぎ駅」公開記念舞台挨拶が4日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で行われ、主演の恒松祐里、共演の本田望結、莉子、寺坂頼我、木原瑠生、瀧七海、メガホンをとった永江二朗監督が登壇した。
インターネット掲示板発、現代版“神隠し”と言われ、人々の心を虜にしてきた KING OF 都市伝説をもとにした本作。大学で民俗学を学ぶ女子大生の堤春奈(恒松)が、現代版神隠しとしてネット上で話題となった「きさらぎ駅」という異世界駅を卒業論文の題材として決め、その謎に迫る姿を描く。
本作で映画初主演を果たした恒松は、本作が全国公開された心境を尋ねられると「とても嬉しいですね。初主演の作品の(公開記念)舞台挨拶というのは人生で1回しかないと思うので、それを今回みなさんに来ていただけてとても嬉しいです」と感無量な表情を浮かべ、「昨日から始まったばかりなんですけど、SNSだったりコメントで『予想していたより面白かった』という声をたくさんいただいて(笑)、すごく嬉しいです」と声を弾ませた。
そんな本作の見どころを聞かれると、恒松は「FPS(一人称視点)手法を用いて撮影していて、一人称視点できさらぎ駅に入っていく映像が流れたりするんですね。見ているお客さんたちもスクリーンを通してきさらぎ駅に降り立ったかのような気持ちになれるところが、この作品の1つの見どころと言えるかなと思います」とアピールし、きさらぎ駅へ行ったと噂される女性・葉山純子(佐藤江梨子)がきさらぎ駅で出会った女子高生・宮崎明日香を演じた本田は「ポスターや予告を見ても怖さが伝わると思うんですけど、みなさんが見終わったあとに一言でこの映画を表すと“ホラー映画”とはならない気がします。怖いだけじゃなくて、人の裏切りとか絆というものも描かれているので、ただ『怖かったね』だけじゃない感想が生まれるんじゃないかなとワクワクしています」と期待に胸を躍らせた。
純子がきさらぎ駅で出会ったギャル・松井美紀を演じた莉子は「本当に最後の最後まで楽しめる映画がまさに“きさらぎ駅”だと思います」と言葉に力を込め、純子がきさらぎ駅で出会ったおとなしい男・飯田大輔を演じた寺坂は「映画って地元の方の協力があって成り立つと思うので、そこが1つの見どころだったりするのかなと思います。ホラー映画ですけど、終わったあとはその温もりを味わってもらえたらなと思います」とコメント。
純子がきさらぎ駅で出会った乱暴な男・岸翔太を演じた木原は「まず僕が個人的にホラー映画が苦手で、今回はゾクゾクする部分がたくさんあるんですけど、そんな中でもクスッと笑えるようなところが多々あります。今日ここに来られている方以外の方で、ホラーが苦手という方も結構いらっしゃると思うので、そういう方でも見ていただける映画になっているんじゃないかなと思います」とオススメし、純子と同居する姪・葉山凛を演じた瀧は「普段、すごく明るくて元気でフワッとしている恒松さんもかわいいと思うんですけど、劇中ギャップがあってそこが私はすごく好きで、見どころポイントだと思います」と笑顔で語った。
さらに、本作の内容にちなみ、もし異世界に行くとしたらどんな異世界に行きたいか質問されると、恒松は「私も実は怖いのが苦手なので(笑)、きさらぎ駅というよりは、もうちょっと楽しい異世界がいいなと思って、お菓子でできた異世界に。こういうの(飛沫パネル)もオブラートでできていたり、マシュマロの椅子とかわたあめの雲とかだったら楽しいんじゃないかなと思います」とメルヘンな一面を覗かせ、本田は「異世界とはちょっと違うかもしれないんですけど、自分を(客観的に)見てみたいので、自分がいる世界に行ってみたいです」とにっこり。
莉子は「私は季節の中で秋が1番好きなので、ずっと秋。女子からしたら日焼けもしないし、ファッションも楽しめるので、ずっと秋の異世界がいいです」と答えると、女性陣からは「いいね!」「行きたい」と共感の声が飛んだが、寺坂は「誕生日が12月の人は誕生日が来ないってことですか?海には入れないですよ!」と乙女心を理解できない様子だった。
そんな寺坂は「動物がすごく好きなんですよ。カバが1番好きなんですけど、異世界でカバに生まれ変わりたいです」と目を輝かせて笑いを誘い、木原は「行きたいところがありまして…。光の国に行きたいですね」とコメントして『ウルトラマントリガーNEW GENERATION TIGA』で主演した寺坂を見つめ、寺坂から「シュワッチって言いたいんですか?」と追求されると、「そこまでいうとアレなんですけど…」と困惑して会場を沸かせた。そして瀧は「私は密かに最強な自分の世界がいいです。例えば教室に不審者が入ってきたときに自分が倒しにいくような世界を楽しんでみたいなって思いました」と意外な一面を見せ、共演者から驚きの声が上がった。
最後に、恒松は「この作品は怖いだけじゃないいろんな要素が詰まっている作品なので、ホラーが苦手な方でも楽しめる要素がたくさんある作品だなと思います。FPS手法を用いたり、みなさんが体験できる体験型アクションホラーだと思っているので、ぜひ楽しんでください。エンドロールの最後の最後までぜひ見てください」と念を押し、永江監督は「想像の斜め上の作品ができたと思うので、より多くの方に見ていただきたいです」と仕上がりに手応えを見せた。
映画『きさらぎ駅』は6月3日(金)より全国公開中
©2022「きさらぎ駅」製作委員会
<Story>
繰り返される悲劇―この悪夢から抜け出すことはできるのか?
大学で民俗学を学ぶ堤春奈(恒松祐里)は、卒業論文で十数年来、ネットで現代版”神隠し”と話題になっている都市伝説「きさらぎ駅」を題材に取り上げることにした。リサーチの結果、「きさらぎ駅」の原点となった書き込みの投稿者『はすみ』ではないかとされる葉山純子(佐藤江梨子)という女性の存在を知る。ようやく純子への連絡先を知り、数ヵ月にわたりメールでやり取りした結果、春奈は遂に純子と会う約束を取り付ける。指定された場所は「きさらぎ駅」の舞台となった路線にある一軒家。春奈を出迎えた純子はどこか影のある雰囲気を持つ女性。部屋へ案内され、早速、ネットで噂される『はすみ』本人との真偽を確かめる春奈に対して、純子はどこか謎めいた笑いを浮かべながらも春奈からの問いかけに静かに頷く。続けて、純子から「きさらぎ駅」へたどり着いた経緯、その後の出来事などを聞いた。その内容は春奈には到底信じられるものではなかったが、純子の話の中で春奈はなぜ純子だけが「きさらぎ駅」へたどり着くことができたヒントに気づく。純子の別れた春奈は自然に「きさらぎ駅」の舞台となった遠州鉄道の駅へ向かう。この選択が春奈の運命を大きく狂わせることになってゆく。
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恒松祐里
本田望結 莉子
寺坂頼我 木原瑠生 瀧七海 堰沢結衣 / 芹澤興人
佐藤江梨子
監督:永江二朗 脚本:宮本武史
制作プロダクション:キャンター 配給:イオンエンターテイメント/ナカチカ
製作:2022「きさらぎ駅」製作委員会
(キャンター / イオンエンターテイメント / ナカチカ / BBB / 博報堂DYミュージック&ピクチャーズ)
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©2022「きさらぎ駅」製作委員会