会場の客席の照明が暗転すると、SEの音量が少し上がる。トムウェイツの「Tom Traubert's Blues」が名古屋クラブクアトロのスピーカーから流れ出す。いきなりクライマックスのような雰囲気が漂う中、MASHのバックを務めるバンドメンバーがステージに入って来たのが分かる。
そして、SEが終わり一瞬の静寂を打ち消すかのようにピアニストの加藤エレナの鍵盤が懐かしいメロディを叩き出した。MASHがそのメロディに誘われるようにステージに登場すると会場は万雷の拍手が巻き起こった。
今日2月10日(木)は、名古屋のラッパーでありシンガーソングライターでもあるMASHのデビュー15周年記念ライブが名古屋のライブハウスで行われた。
ツアーファイナルの東京公演を、翌週に控えるのでセットリストの公開はしないが、とにかく最高の一夜がそこにはあった。
バンドメンバーは、ギターに塚本史朗、ベースに梅田誠志、ドラムに髭白健。そして前述したがピアニストに加藤エレナ。バイオリンに濱島秀行を迎えた。
即興や、セッションらしい時間も随所に見られこれぞライブという時間に観客は引き込まれていく。
MASHが、コールアンドレスポンスをすると、手拍子で会場全体が呼応するのがわかった。
そして、曲の間のMCが印象的だった。
「良いことなんてあまりない。て言うかほとんどないです。昔は違った。それはガキの頃なんかは親とか周りの大人がそれをくれてたんですよ。大人になればわかってくる。良いことはあまりない。でもね、それがわかった途端に小さな良いことに気づけるようになるんです。でも、どんな時でも俺は希望だけは捨ててないから。これからも希望を胸に歌って行くから」
良いことなんて少ない、でも明日への希望は捨てない。これは、コロナ禍で疲弊する世の中をこの先どう生き抜いていくかを言い当ててるように思えた。
今回の本編ラストナンバーはもちろん新曲「壊れたJukebox」。バンドメンバーはこの曲をレコーディングしたメンバーだ。MASHとバンドメンバーがひとつの塊になって会場に熱い風を吹かせた。
ヒップホップからフォーク、Blues、ロックまでの全部を引き受けたようなMASHのスタイルが今夜は惜しげもなく披露された。
そして、ライブが終わると、その場にいた誰もがこう思ったはずだ。
「あと少しだけもう一度頑張ってみようか。」
MASHの15周年記念ライブツアーは、2/19(土)吉祥寺マンダラ2に続く。
ライブは不要不急か?その答えはその日にある。ぜひ会場へ。
関連画像
撮影:山口宗紀
<音源・MV>
◆新曲「壊れたJukebox」
https://big-up.style/EAltqykvMW
◆新曲「壊れたJukebox」Music Video
<LIVE情報>
◆MASH HOUR「風の歌が聴こえる」at 吉祥寺MANDA-LA2
2022年2月19日(土)
17時半開場 18時半開演
出演 MASH(vo,g),加藤エレナ(piano),梅田誠志(bass)
前売り予約チケット 5000円 当日 5500円
予約フォーム(1/8(土)16時から) https://ssl.form-mailer.jp/fms/36a3b84d475895
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