May’n 20周年ライブ、エモさの極み!シェリルへの愛とファンへの感謝が溢れる2日間! - 日刊エンタメクリップ

May’n 20周年ライブ、エモさの極み!シェリルへの愛とファンへの感謝が溢れる2日間!

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May’n 20周年ライブ、エモさの極み!シェリルへの愛とファンへの感謝が溢れる2日間!

May’nはステージを通して、いつだって目の前の君に特別なライブを届けてきた。その特別をさらに更新してみせたのが、2025年5月9日(金)、10日(土)、パシフィコ横浜 国立大ホールにて開催された「SANKYO presents May’n 20th Anniversary Concert Gratz from MACROSS F」。May’nが歌声を通して命を吹き込んできた、アニメ『マクロスF』のヒロインであるシェリル・ノームと、自身のアーティストとしての歩みを軸に展開された、20周年を記念するメモリアルなライブである。

それぞれ「With you -Sheryl On Stage-」「With you -May’n Space」と題し、初日は“シェリル・ノーム”として、2日目は“May’n”としてのステージを披露。両日ともに『マクロスF』および関連企業が全面協力。キービジュアルはキャラクターデザイン・江端里沙氏の描きおろしで、会場にはシェリルとMay’nの歩みを感じさせる展示も用意されていた。

ステージでは2日間に渡り40曲以上を披露。また、 今秋、9年ぶりのシンフォニックコンサート May'n 20th Anniversary Symphonic Concert「TWENTY Around for You」を開催することの他、ベスト・アルバムのリリース、来年の全国ツアーなど、これからに向けた新たな情報を発表した。本稿では奇跡のような2日間を振り返っていく。

超がつくほどの満員御礼で迎えた2日間。初日「With you -Sheryl On Stage-」の幕開けを導いたのは、シェリルのマネージャーであるグレイス・オコナー役・井上喜久子の声。「準備はいい?」とそれぞれのセクションに確認した上で「私の育てたフェアリー9──いいえ、シェリル。銀河の妖精・シェリル・ノーム。あなたの歌で、パシフィコ横浜を、銀河を震わせなさい!」とシェリルをステージに送り出した。一方、モニターのオープニングVTRには西暦2009年からカウントアップが始まり2059年に。いよいよ第25次新マクロス級移民船団マクロス・フロンティアのアイランド横浜に、マクロス・ギャラクシー船団出身のトップシンガー、シェリル・ノームがコンサートのために来艦する。

TEAM ONGAKUSHITSU( Gt.田口慎二/Gt.外園一馬/Key.大嵜慶子/Bs.浅倉高昭/Dr.早川誠一郎)の重低音に乗せてはじまったのは、「Welcome To My Fanclub’s Night!」。アニメーションを背景にステージ場の2階から登場したMay’nは、強烈な存在感とともに“超高速ロマンティック”をあなたに届け、その場を支配していく。続く2曲目「禁断のエリクシア」では、孤高のシェリルを体現するかのように、階段をゆっくりと降りていく。May’nダンサーズ、もとい、“遺伝子ダンサーズ”のもみ、YOUのふたりが妖しく艶やかに絡み合い、深く濃密な世界観を立ち上げていった。

この日は「May'n」ではなく「シェリル」の声が客席から上がっていたことも感慨深い。その声を聞きながら、改めて観客を見つめた最初のMC。

「シェリルの歌を担当しています、May'nです! 今回“With you”というタイトルで2日間コンサートを開催させていただきます。私自身がデビュー20周年を迎えます。その20年間、なによりも、ライブ、コンサートを大切にしながら歩んできました。自分自身のコンサートでもシェリル・ノームの歌を大切に歌わせていただいてきましたが、改めて今回20年のありがとうを伝えるコンサートにしたいなと思ったとき、もっともっと、シェリルの曲を今まで以上に届けたいと思い、-Sheryl On Stage-という1日を開催させていただくことになりました!」と経緯を説明。

そして「もしかしたら“見切れ席だからあんまり見えないな”って思ってる方もいらっしゃるかもしれません。でも、私は絶対に、あなたのところまで歌を届ける自信があります。私の姿から目を離さないでください。もし見えなかったとしても、エネルギーだけは必ずこっちに届けてください。私は誰ひとり、置いてきぼりにしないことを、ここで誓います。精一杯シェリルとして生き抜きます、よろしくおねがいします!」と力強く指切りし、「射手座☆午後九時Don't be late」へ。〈持ってけ〉でシンガロングが響く中、もうひとりのシェリル・遠藤綾(CV担当)が〈私の歌を聴けー!〉〈もっとー!〉〈ラストー!〉の声で観客をアジテート。May’nのボーカルがシームレスに遠藤の声を受け止め、まさに“ふたりでひとつ”のシェリル・ノームがそこに立っているような臨場感を生み出していく。

三者三様のシェリルの曲でにぎわせた中盤戦。シェリルの軍服を彷彿させる帽子を飛ばすと「What 'bout my star?」で天真爛漫なかわいらしい表情を覗かせつつ、ワイパーや手拍子で一体感を生み出していく。続いての「ゴ〜〜ジャス」では帽子やサングラスのアイテムを活かしながら、妖艶でショウアップされた空間を演出。そのアウトロから「ユニバーサル・バニー」へとつながる音源の流れを“再現”してみせると、モニターにはライブシーンが流れ、観客から思わず歓声と拳が上がる。さらに挑発するかのように「pink monsoon」。ピンク色のスモークがステージを包む中、May'nは髪を指に絡ませながら、声と表情で唯一無二の歌姫・シェリル・ノームそのものとなっていく。“演じる”でも“描き出す”でもなく、まるでそこに“存在している”かのように、シェリルの魂が、May’nの歌に宿っていたことが印象的だった。

「やっぱりライブって楽しいよね」と切り出しつつ「いつも以上に緊張している」と汗を拭いながら打ち明けるMay'n。「ライブがはじまってから、今ここに来て“どうしよう”と思っています。いつもだったら私はここで“待って、まだ汗拭きたいから”とか言うんですけど、シェリルだったら……と思うと……(笑)」と、“素の自分”と“シェリル”の境界を意識しながら笑う。

「シェリルとしてのステージの表現は毎回すごくこだわっているのですが、シェリルのいちファンとして、“シェリルのこういうステージを見たいな”“きっとこの時、こういう思いだったんじゃないかな”“描かれていないけど、実はきっとこういうシーンがあったんじゃないのかな”とか、ファンとしての想いも今日の-Sheryl On Stage-には込めています。次にお届けする曲も、今日だけの気持ちで歌わせていただければと」

ここからはしっとりとしたアコースティックブロック。「会えないとき」をピアノ伴奏でゆっくりと歌いだすと、ステージモニターに紙飛行機、淡い色調の早乙女アルトの姿が次々と映し出され、彼のさまざまな表情が静かに浮かんでは消える。そこから「天使になっちゃった」、「ふなのり」、そして「リーベ~幻の光」と、May'n自身、時に泣きそうになりながらも、シェリルの複雑な感情、アルトへの想いを掬い上げていく。その姿に、観客もまた静かに息を呑んだ。アコースティックブロックを終えると、May’nは一度バックステージへ。

するとはじまったのは、シェリルとグレイスの会話劇。「ところでシェリル、各セクションとの連携はどう?」「さすがはあなたが集めたスタッフね。全セクションが最高の仕事をしてくれているわ。それにあたしに全力でぶつかってきてくれる、パシフィコ横浜の観客もサイコーだわ!」──と今回のライブの舞台裏を覗き見るかのようなやりとりが繰り広げられた。

「あたしは歌うことで、自分のすべてをぶつけるの。それに、ここまで応えてくれる観客なんて、めったにいないんだからね!あとはあたし、シェリル・ノームが命を込めて歌うだけよ。グレイス、そこで見てなさい。このままでも最高のライブだけど、もっともっと、横浜を、銀河を震わせてくるわよ」「生きてるって思えるのは歌っているときだけ。今日も最後まで、ファンのために、私自身のために歌うわ。だって私はシェリル。シェリル・ノームよ」。そう覚悟を決めたように決意をあらわにすると、スモークがゆるやかに流れる中、白い衣装に着替えたMay’nがステージへ。〈みんなが私のことを妖精と呼ぶ わたしはそれに応える 〉という言葉からはじまる「妖精」を披露する。続くロックナンバー「イゾラド」では、 歌詞に合わせて背面のスクリーンにノイズがかった映像エフェクトが走る演出が。さらに「インフィニティ」「永遠」で、“君”への想いをまっすぐ、そしてドラマティックに届けたかと思うと、『劇場版マクロスF~イツワリノウタヒメ~』の劇中ライブ映像を背景に「オベリスク」を歌唱。終始高ぶっていた観客の鼓動が、ここにきてさらに上昇するのが伝わってくる。May’nは一歩も引かない鋭い視線を客席に送りながら、圧倒的な気迫で歌い上げてみせた。

さらに、ここからがすごかった。場内の照明がふっと落ち、会場が静寂に包まれると、一本のスポットライトがステージ中央に射し込む。「ノーザンクロス」のはじまりをアカペラで歌うMay'n。声が少し震える中、泣きそうになる気持ちを、想いのすべてを、声にして届けていく。その姿を見た観客からはすすり泣く声が。そんな静かな空間に〈 好きだったよ〉の声が響くと、バンドが一斉に加勢。同時にステージから火柱が噴き上がった。客席では歓声を上げる人、拳を突き上げる人、静かに涙をこぼす人……それぞれの“熱狂”が場内に渦巻いていく。さらに続けて、シェリル・ノーム starring May'n、ランカ・リー=中島愛による「サクリファイス」を。だがこの夜に響いたのは、May’nひとりによる“祈り”のようなバージョン。モニターに緑の蝶がふわりと舞う。徐々に聴こえてくるランカの声に耳を澄ませるように、May’nが右耳にそっと手を添え、まぶたを閉じた。その「サクリファイス」を経て、モニターに映し出されたのは、シェリルが大切にし続けてきたフォールドクォーツのイヤリングのセット。そのイヤリングを見つめたあと、暗闇の中へ歩き出すMay'n。気付けばふわっとしたレーシーな長袖の衣装に着替えていた。ここから描かれたのは、“May’nが考える未来のシェリル・ノーム”の姿だ。

モニターに映るMay’nの手が小刻みに震えている。しっかりと握りしめたイヤリングを、彼女は左耳にそっと、まるで想いをなぞるように大切に身に着ける。深く息を吸ってはじまったのは「ダイアモンド クレバス」。観客一人ひとりに思い浮かべた景色があったと思う。毎回さまざまな情景を見せてくれる曲だが、この日はいつもとはまた違う世界を打ち出してみせた。

シェリルコールに応え、ライブTをアレンジした衣装に着替えて再び登場したMay'nは、「イヤリングを返してもらいました」と小さく笑い、泣きそうな表情を見せる。そして「ライブはいつも緊張するんですけど、今回は1週間くらい前からずーっと緊張してて。でも、なんでこんなに緊張してるのかなって考えたときに思ったんです。これは“私ひとりのステージじゃない”からだなって」。今回のライブに協力してくれた関係者への感謝を伝えて「どうしてもグレイスの声が入れたくて、井上喜久子さんにもご協力いただきました。そして、もちろん! シェリル・ノームは、遠藤綾さんがいてくれなきゃ生きていけません。遠藤綾さんにも愛をいただき、お届けさせていただきました」と伝えた。

改めてこれまでの軌跡にも触れる。「2005年に15歳でデビューして、2007年に『マクロスF』に出会いました。2008年の放送より前に、17歳、18歳の頃にはもう“シェリル・ノーム”と出会っていたんです。そこから気づけば17年以上、こうして“シェリル”と共に音楽を届けさせていただいています。私のアーティストとしてのキャリア、“メイン☆ストリート”は、この『マクロスF』と、シェリルとともに始まりました。その20年を大事に想いながら今日、“Sheryl On Stage”という形でこの20周年ライブができたことを、本当に幸せに思います。明日は“May’n Space”というタイトルでステージに立ちますが、この2日間を通して、“20年間ありがとう”、そして“これからもよろしく”という想いをしっかりと伝えたい。そんな気持ちで──2059年まで歌い続けるつもりで、今日ここに立っています」と宣言。

まだまだメイン☆ストリートは続く。期待を込めた歓喜の声が響く中で、シンフォニックコンサートや全国ツアーを行うこと、ベストアルバムをリリースすることなど、新しいプロジェクトを続々と発表。さらなる歓声が沸き上がった。

最後に披露されたのは、ハッピーなエネルギーに満ちた「ギラギラサマー(^ω^)ノ」。May’nの合図でダンサーたちもステージに登場し、にぎやかにステージを彩る。さらにバンドメンバーも続々と前に出てきて、楽器を持ったままステージ上を練り歩き、客席ではウェーブが。最後の決めポーズも含めて、ホール全体が笑顔に包まれた。

シェリルの楽曲すべてを歌い切ったMay'nが「これからも、シェリルは私の歌で、生かし続けることを誓います!」と叫べば、もうひとりの“シェリル”の遠藤綾の声が呼応する。「あたしはステージで、これからも歌い続けるわ! これからも一緒に、歌ってくれる?」。そして笑顔で「これからも私は、あなたと、シェリルと、歌い続けます!」と、これからも“With you”であることを高らかに伝えたのだった。

ライブ後にダンサー、バンドメンバーを改めて紹介し、観客に(文字通り)一人ひとりと目を合わせ“ありがとう”を伝えたMay'n。というのも、彼女にとって“目を合わせてライブを終える”ことは恒例行事。この広い会場でもそれをやってのけて見せ、“あなた”とコミュニケーションを楽しんだのだった。

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そして翌日。今度は“May’n自身”としてステージに立つ「With you -May’n Space-」。モニターに映し出されたオープニングVTRに、ライブタイトル「With you」の文字が浮かび上がると、画面の中で「With」の部分だけが静かにフェードアウト。そしてステージにそっと現れたMay’nが、「You」をアカペラでゆっくりと歌い出していく。バンドの力強い音が加わると〈君はたった一人 君しかいない〉という印象的なフレーズが、今回のライブタイトルに重なるように、ドラマティックに響き渡った。

狼煙を上げる合図かのように「いくよ、横浜!」と叫ぶと、火柱が立ち上る中、「Belief」「Scarlet Ballet」「Brain Diver」と、前日とはまた違う、フロントマンとしてのMay’nらしい力強い佇まいで観客を引っ張っていく。ファンから“部長”と親しまれるMay'nならではの“ライ部”の空気感が会場を包み、「部長!」と割れんばかりの歓声が沸き起こった。その熱気に圧倒されるように、「えっ、なんでみんなそんな声出せるの? 体力すごくない?」と軽やかなツッコミを入れるMay'nに、客席からクスクスと笑いが。

「私、ツアーの2DAYSの時にいつも言ってるんですけど、“明日のために体力を残すのはもったいないからね。明日の体力は明日にしか生まれないから”って。実感していません?(笑) 私自身、昨日たくさんパワーをいただきました。昨日、今日は演出、セットリストという意味でまったく違うんですが、私が今まで大切にしてきた“ライブ(ライ部)”という空間そのもの、“May’n Space”という場所を、20周年の感謝を込めてお届けできればと思っています」

その後、TEAM ONGAKUSHITSUのバンドメンバーを紹介。演奏を支える一人ひとりに拍手が送られる中、ふたたびマイクを手に取りアジテート。

「May'nの単独ライブがはじめてという方も居てくれると思うんです。やばい、この曲のルールがわからないと緊張してしまうかもしれません。全然、しなくて良いです。みんなが好きなように音楽を感じて、楽しんで受け取ってほしいなって思っています。私はずっと、ライブにルールはありません、あるのはマナーだけですって言い続けてきました。ここにいる全員、あなたのために歌います。あなたが楽しんでくれるように、私は歌います」

そう力強く語りかけたMay’nが、次に披露したのはMay'n名義の初シングル「キミシニタモウコトナカレ」。2009年当時のMVが背景に流れるという演出があり、時を超えて想いが重なっていく。また、ここでオープニングで身にまとっていたビッグシルエットのアウターを脱ぎ捨て、より動きやすく、シャープな衣装に。すると、同じデニム生地を身にまとったMay'nダンサー(So-Da、SHO→TA)もステージインして、鮮やかな「ViViD」、菅野よう子が手掛けたMay'n名義のテーマソング「ヤマイダレdarlin'」、アッパーな「ナンバーワン!」とアップチューンが続いていく中盤戦。May’nとダンサーたちが舞台上を駆け巡った「ナンバーワン!」ではバンドメンバーも前方に。「さいっこー! すごすぎるでしょ!」と“ひとりずつに向けて”ナンバーワンの称号を手渡すように笑顔を見せた。

キャミソール姿になって汗を拭きながら「暑すぎて……どんどん脱いでいくスタイルです」と笑う。自然となだれ込んだMCでは、これまでの軌跡や、「キミシニタモウコトナカレ」での初めての演出などを振り返りつつ、セットリストを悩んだことを明かした。それもそのはず、May'nの持ち曲は現在約200曲以上。ライブパンフレットでは、ファンの声によって大幅にセットリストを変えたことを告白していた。「20年の自分のことを振り返りながら、明日に向かって踏み出せるような、そんな1日を送らせてもらえたらなと想いながら今日のセットリストを組みました」としみじみ語る。そして「次の曲は、ここ最近ずっと歌っていなかったのですが、ファンの皆さんやスタッフさんにリクエストをもらった曲です」と前置きして、歌ったのは「鏡」。アコースティックギター2本だけの伴奏に身をゆだね、〈あなたがいなきゃ、私は自分の姿すら見えない〉と静かに歌う。

ここからは少ししっとりとしたバラードパート。ピアノの音色が加わり、「今日に恋色」「もしも君が願うのなら」へと続く。時に胸に手を当てながら、“君”に向けたまっすぐであたたかな想いを紡いでいくMay’n。その背景に広がる星空にやがて光が差しはじめ、「夜明けのロゴス」では〈君といま 最果てへ行こう〉という力強い一節とともに、照明が明るくなっていく。なによりもその力強い歌声が君への想いをさらに強く照らしていた。

バンド、ダンサーによるインタールードを挟み、ライブはいよいよ後半戦。黒のロックな衣装に身を包んだMay’nが、ポップアップで勢いよくステージに再登場すると、会場の空気は一気に“攻め”のモードへと切り替わる。「Chase the world」では、この日来られなかったMay’nダンサー・MITSUの姿がアバターとしてモニターに登場し、映像とリアルが融合したステージを盛り上げていく。そして、それでも前に進むと誓う「graphite/diamond」、「LIES GOES ON」、「AMICITIA」と畳み掛け、特大のシンガロングが鳴り響く。ステージ上には火の演出が加わり、視覚的にも熱を帯びたまま、会場がさらに高揚していった。そんな中で、カラフルに駆け抜ける「カラフルスコープ」が良いスパイスに。〈忘れない星空となれ〉の一節に差し掛かると、May’nは客席を見つめながらふと感慨深い表情を見せ、歌声にそっと想いを重ねた。

「あっという間にラストの曲になりました!」と叫んだMay'n。本編最後に選んだのは、今日のタイトルにも深く関係している曲。「私がMay'n名義で最初に出した曲です。この曲を出した10代のとき以上に、いまは“自分らしい曲だな”って思っています。私は〈好きなこと全部 やろう〉って決めてます! これからもずっとずっと長く、歌っていきたいです! そんな想いを込めて最後に、この曲!」と届けたのはもちろん「May'n☆Space」。

May’nの想いがまっすぐに飛んでいき、会場全体に染み渡っていく。〈Lalalala〉のシンガロングパートでは、「聴かせて!」と客席に呼びかけながら、一階! 二階! そして今日はじめましての人も、さらに「関係者の人も!(笑)」と、フロアの隅々まで声を響かせていく。その声に応えるように、観客の歌声と手拍子が重なり合い、ひとつの空間が“May’n☆Space”として完成していったのだった。最後は大きくジャンプ。感謝を伝えて、一度ステージをあとにした。

熱烈な“部長”コールに応えて、カラフルなショートパンツに着替えて登場したMay'n……と、なんとその横には、May'nの同郷名古屋の先輩であるラッパー・SEAMOの姿が! そして、今年の夏アニメ『ぐらんぶる』Season 2のEDテーマ「裸でどつきあい feat.May’n」を弾けるように初披露。SEAMOとのタッグ作は「Fallin’ in or Not feat.SEAMO」(2006年9月27日リリース)以来実に19年ぶり。SEAMO曰く“熱血全力全裸ソング”であるこの曲を楽しく心を解放するような勢いで、観客を一気に常夏へと連れて行ってみせた。

「いち早くこの曲を届けたくて、(シークレットゲストとして)来てもらいました!」とMay’nが紹介すると、SEAMOが「ここにいる皆さんが、宇宙でいちばん最初にこの曲を聴いた人たちです!」と応える。実はSEAMO自身もデビュー20周年。「20周年、お互いおめでとうございます!」とメッセージを送り「皆さんも思っていると思うんだけど……19年も経つと、こんなに良い女になるんですよ!」と、デビュー前からMay’nを知る先輩としての愛あるコメントで会場を沸かせた。

続けて披露したのも、この日がライブ初披露となる「ONEBLUE.」。2025年度中日ドラゴンズ ヴィクトリーショーの使用曲で、May’nは「この曲が作れたのは、みんながいたから。この20年のライブがあったからこそ、書けた曲です! みんなからもらってるパワーを、今度は私がみんなに飛ばしたい」と言って笑顔を見せる。そして大きな声で「聴かせて!」と呼びかければそれに応えるように、シンガロングが会場全体に広がり、青い想いで一体となった。この“青”やイメージカラーについて語った、少し長めのMC。

「最近はカラフルな音楽を歌っていきたいという想いが自分の中にあるんです。だからカラフルなのがMay'nらしいなって思っているんだけど、あえて一色に選ぶとしたら青なのかなって。私自身が初めて作った曲も、“BLUE”というタイトルです。これは悲しい気持ちを表現したものでした。でもそこからいろいろな幸せな色に出会って、悲しいイメージだった青の印象が変わって。最高な青色の曲が作りたいって思うくらい、いろいろな青をライブで作ってきました。たくさんの曲がある中で、たくさんの未来がある中で、みんなのこと、大好きなライブのことを思いながら書いた曲がたくさんあります。今回“With you”というタイトルでライブを開催するにあたって、私は何を伝えたくてコンサートをしてきたのかなって考えたとき……ひとりじゃないよ、ってことが伝えたいんだなって改めて気づきました。ひとりぼっちじゃ、絶対にこんなに長く歌えていません。ひとりでも生きていけるかもしれないし、ひとりで歌うことも大好きだった。でも誰かといたり、誰かと歌ったりすることがこんなに楽しいことなんだって、ライブを通してみんなが教えてくれました。次はそんな想いを込めて」

そう前置きして、青が登場する曲「WE ARE」を歌う。青空を感じさせる映像を背景に、〈君はひとりぼっちじゃないさ 手を繋ごう 手を掲げよう いっしょに歌おうよ〉〈僕はひとりぼっちじゃないさ だって君に出逢えたから〉というフレーズが、まるでMay’nの20年そのもののように空高く響く。そして「絶対にどんなときもひとりぼっちになんかさせないから。これからもあなたのために歌わせてください!」と約束して、本当に最後の曲「Lifetime with...」へ。

アコースティックギターの牧歌的な優しいイントロが流れると、観客のハンズクラップに乗せて、一音一音を丁寧に紡ぐように歌い上げていったMay'n。モニターには、歌詞のほか“ダイアリー”のようにこれまでの歩みが映し出され、それをなぞるように観客が静かに口ずさむ。最後のフレーズである〈ありのままの僕らでこの道で一緒に変わっていこう 歩いていこうずっと Lifetime with... You.〉が優しく、お互いへのエールとして優しく広がっていった。「You」からはじまり〈You.〉で終わったライブを「まだまだ私は歌い続けていきたいです。あなたと一緒に、With you。これからもよろしくお願いします!」と笑顔で締めたのだった。

シェリル、May'n、それぞれの歌姫による“あたしたちの渾身のうた”が時空を超えて響き合った2日間。その軌跡を、惜しみなく歌とパフォーマンスに注ぎ込むMay'nの姿はとてもタフで、プロフェッショナルの極みと言えるものだった。その一方で、MCで見せる素顔も、人間らしくてチャーミングで愛しい。きっとこのステージの噂を海を超えて、いや、地球も宇宙も次元も超えて、銀河のどこかで羨ましがっている人たちがたくさんいるに違いない──そんなことを思わず考えてしまうようなコンサートであった。

May’n 20周年ライブ、エモさの極み!シェリルへの愛とファンへの感謝が溢れる2日間!

先日詳細が発表となった9年ぶりのシンフォニックコンサート「TWENTY Around for You」は、誕生日直前の2025年10月12日(日)、東京芸術劇場コンサートホールにてグランドフィルハーモニック東京の演奏により開催。また、アーティスト活動20周年記念アルバム『TWENTY//NEXT』を8月13日(水)にリリース予定。そして、アニバーサリー・イヤーを締め括るMay’n 20th Anniversary Live Tour 2026「THE BEST of May’n」は3月8日(日)Zepp Nagoya、3月15日(日)Zepp Namba(OSAKA)、3月21日(土)Zepp Haneda(TOKYO)他、開催予定。その他の情報も、今後改めて更新されていくとのこと。より鮮やかに色づくであろう、これからのメイン☆ストリートの道のりも楽しみだ。

文:逆井マリ

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