📎 Mary’s Blood 4月9日(土)に活動休止前ラストライブ『The Final Day〜Countdown to Evolution〜』を満員の観衆を集めて豊洲PITにて開催!

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Mary’s Blood 4月9日(土)に活動休止前ラストライブ『The Final Day〜Countdown to Evolution〜』を満員の観衆を集めて豊洲PITにて開催!

写真/nonseptic

昨年12月に突然飛び込んできたMary’s Bloodの活動休止の発表。同時に明らかにされたのが、今回の東京・豊洲PIT公演『The Final Day〜Countdown to Evolution〜』だった。どう受け止めればいいのか、ファンには戸惑いもあったはずだが、この日の会場に集まった多くの人が、“最後”の姿をポジティヴに受け止めたかもしれない。そう思えるほど、EYE(vo)、MARI(ds)、SAKI(g)、RIO(b)、そしてサポート・メンバーのYASHIRO(g)は燦爛たるパフォーマンスで魅せた。

Mary’s Blood 4月9日(土)に活動休止前ラストライブ『The Final Day〜Countdown to Evolution〜』を満員の観衆を集めて豊洲PITにて開催!

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暗転した場内に「Last Daybreak」が流れ始め、ステージの定位置についた5人は「Without A Crown」をプレイし始めた。最新作『Mary’s Blood』(2021年)と同じ流れだ。イントロのさなかに「行くぞ!」と自らをも鼓舞するかのように叫んだEYE。激しいバンド・サウンドがそのまま観客を煽る。そこに続いたのが『Revenant』(2018年)からの「World’s End」。2つのアルバムのオープニング・トラックを並べるという華々しい幕開けだった。秘めた心持ちを振り切るかのごとく、アグレッシヴな音塊が非日常の空間へと誘っていく。

最初のMCでEYEは「ついにこの日が来てしまいました」と感傷的な言葉を口にするも、「最高の景色」を作りたいとオーディエンスに気概を伝える。ここでMary’s Bloodのメロディックな名曲の一つである「Wings」が早くも披露されたが、聴き手を共に未来へと導く歌詞の普遍性は、メジャー・デビュー時と変わらない。それが2021年リリースの「Let Me Out」で力強く補完されていくように感じたのは、ライヴの場ならではだろう。次の「Moebius Loop」に綴られたストーリーを今の彼女たちに重ね合わせてみても、様々な思いが自ずから浮かんでくる。

今回はメンバー全員がMCを担当。RIOは現編成になってからの10年間を振り返り、次のステップへの意気込みも触れながら、「たくさんあるバンドの中からMary’s Bloodを見つけてくれて、愛してくれてありがとうございます」と謝意を言葉にする。続いて始まった「Hunger」では、重みを生み出しながら、エッジも立てるベース・サウンドが心地よいグルーヴの基盤になっていたが、次曲へのインタールードとなるベース・ソロ・タイムでの彼女の凛々しい表情もまた印象的だった。

スパークラーによる6本の火柱がアグレッシヴさと同調した「R.I.P.」、勢いよく噴射されたスモークの中でメンバーが右へ左へとアクティヴに動いた「Counter Strike」。<第1部>は最後にMARIが自身の後方にセットされた銅鑼を鳴らして締められたが、ここで確信したのは、Mary’s Bloodの歴史において最上位にランクされるライヴになるだろうということだった。結果的にその予測が間違いでなかったのは、このステージを目撃した人たちが証言してくれるはずである。

15分の休憩を挟んで始まった<第2部>。黒から白へと衣装の色合いを変えた彼女たちは、まずは4つ打ちビートでダンサブルに熱を上げていく「It’s Alright」、シンプルでポップな「HANABI」を披露し、楽曲でも雰囲気を一変させる。こういった楽しさもMary’s Bloodの魅力だ。ここでMCを任されたのは、序盤からテクニカルかつエモーショナルなフレーズを多彩に奏でてきたSAKI。普段はあまり口にすることがない、各メンバーへの思いを吐露する。そのタイミングで振られたYASHIROは、サポートを務めてからの約8年間を思い起こしながら涙ぐむ。EYEはすかさず「メンバーは(まだ)誰も泣いてないのに!(笑)」と突っ込んだが、ここは彼女たちが築き上げてきた良好な関係性が垣間見える場面でもあった。

SAKIはスタッフやファンに感謝しながら、「私たちとみなさんの絆を歌った大切な曲」として「Campanula」をコールした。同曲が収録された『Countdown to Evolution』(2014年)の発表時から演奏され続けてきた、自身の決意を体現したマテリアルでもある。たおやかな旋律に乗った真摯な言葉は、今ゆえになおさら心に染み入る。エンディングの“La La La”のリフレイン。コロナ禍で観客は発声を制限されているため、普段のように大合唱は起こらないが、EYEは「聞こえるよ!」とオーディエンスに投げ掛ける。不思議な現象だが、確かに場内が一体となった歌声がこだましているような感覚はあった。

盛大な拍手が贈られる中、いくつものライトがドラム・セットに集束され、MARIのソロ・タイムがスタート。ツーバスを連打しながら、奔放にフレーズを叩き込み、聴き覚えのあるリズム・パターンへ。そう、「Marionette」である。本イントロへと入るまでの間、EYEはフロアの全方位を煽り、拳を高く掲げさせる。Mary’s Bloodの知名度を飛躍的に上げた代表曲の強さは今も変わらない。この攻撃的な空気感を「Bite the Bullet」へとつないだ流れも絶妙だった。ヘッドバンギングを誘発する激しさを堪能するのと同時に、シンガロングするパートが記憶の中から呼び起こされる。

MARIは「みなさんのパワーがいっぱいステージに伝わってきてて、今、最高の景色を見せてもらってます」とMC。いつものように口調は穏やかながら、「次の曲、聴いてください」と始まったのがハード&ヘヴィな傑作「Coronation Day」という展開も面白い。ステージに立ち上る火花もまた映えていたが、「Mary’s Bloodはライヴ・バンド」(MARI)という言葉の通り、轟音の中で精緻なアンサンブルも楽しませる。現在のラインナップの原点とも言えるインディーズ作品『SCARLET』(2012年)からの「Burning Blaze」もここで披露された。終盤で5人がステージ中央に集結したシーンは、ある種のハイライトでもあっただろう。感慨深い光景だった。そして本編最後もメロディック・スピード・メタル・チューンの「Promised Land」を畳み掛ける。疾走感に満ちた曲調、広大な空間を押し広げていくメロディ。現時点での“約束の地”がここで最終形へと具現化されていく。堂々たるメンバーの一挙一動には、ここに至るまでの決して短くない月日を踏まえた充足感が映し出されていた。

ほどなくして始まったアンコールは、まず「Blow Up Your Fire」と「Queen of the Night」を連発。Mary’s Bloodらしいツイン・ギターのハーモニーが響き渡る後者は人気の高いマテリアルだが、もし……という話がないのは承知の上で言えば、『Mary’s Blood』からの前者は、活動が続いていれば、今後のライヴの定番曲になり得たかもしれない。

「はぁ……終わってしまうよ」。EYEはふと湧き上がった感情を漏らす。いろいろな「奇跡」が繰り返されてきた歩みも頭をよぎったのだろう。「残り数曲だなと思ったら、いろんなものが剥がれ落ちた」と涙を見せた。Mary’s Bloodがかけがえのない存在であるからこそ決断した活動休止。だからこそ、多くのファンとの出会いに改めて感謝したい気持ちもあったに違いない。「Mary’s Bloodがみんなの光になるように作った曲」として紹介された「Starlight」をこの重要なシーンで選んだのも頷ける。無論、ラストに配された「Say Love」も同様だろう。冒頭に挿入された「日常は当たり前ではない」といったEYEの語りは、深遠でありつつ、彼女なりの素直な愛情表現だったが、日頃の会話よりも、歌の中にこそ彼女の真意は見える。その声に呼応して、オーディエンスの手が自然に左右へと大きく揺れる。<明日を照らすメロディ 歌って 次に会える日まで>。この曲に込められたメッセージは、バンドとファンにとって新たな意味を持つことになった。

Mary’s Bloodがいつ活動を再開するのか。もちろん、惜しむ声は根強くあるが、将来は誰にもわからない。ただ、少なくとも確かなのは、今回の公演が彼女たち自身にとって、来たるべき日に向けて立ち返る、客観的な礎のようなものになるだろうということだ。可能性は無限にある。今後のEYE、MARI、SAKI、RIO、それぞれが進む道にも注目していきたい。

取材・文/土屋京輔

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