テレビ東京とエイベックスが15年ぶりにタッグを組んだ次世代オーディション「ヨルヤン」から生まれたmzsrzは、約1年に及ぶ選考と育成を経てデビューした。セカイの何もかもが変わってしまった2020年末、1年で最も長い冬至の夜が明ける瞬間に先行公開されたデビュー曲「夜明け」の歌詞は、すぐさま人気歌詞サイトでリアルタイム・ランキング1位に輝いた。
以降、審査員を務めた『DECO*27』プロデュース&作詞でリリースされた全てのシングルが、その青く濁った赤裸々な世界観で、6作連続同1位を獲得し続けている。
逃げること、敗れること、弱いこと、違うことを全面的に許そうとする少し歪んだ応援歌であるデビュー作「夜明け」に、悩み立ち止まっている人の背中を無邪気に後ろから押す無闇な明るさはない。
▶︎「夜明け」Music Video: https://youtu.be/8uaPozyLYrk
夜空を大量に行き交う不確かでも的確な悪意と出しゃばりな偽物の正義。デジタル・ネガティヴ時代に、諦めは絶望とは違うと主張する2nd シングル「ノイズキャンセリング」。
▶︎「ノイズキャンセリング」Music Video: https://youtu.be/l974GtoqBL8
映画「ショコラの魔法」主題歌に抜擢された 3rd シングル「アンバランス」は、何かを求めて失う代償の不均衡に怯えるあまり、逃げることからも逃げ続ける臆病さをハイパーポップで煽り、好きという危うい感情につい依存してしまう有り様を解像度高く炙り出した4th シングル「インベーダー」は、中毒性を持つ偏愛ラウドロックだ。
そして、2作連続でドラマ主題歌となった5th シングル / ポップパンク「エコー(ドラマ「JKからやり直すシルバープラン」ED主題歌)」と、6th シングル / ネオ・シティポップ「フィルター(ドラマ「部長と社畜の恋はもどかしい」主題歌)」は、稀代のリリシストでもあるDECO*27ならではの独特の視点と回しで、清濁併せ呑む共感へと導かれる楽曲だ。
そして、ついに本日、1st アルバム『現在地未明』がリリースされた。大人でも子供でもない曖昧な時代に誰しもが抱える “無色透明の不安” と “ 意味不明の焦燥” が散りばめられた全10曲。音楽を聴くというよりも多感な時期のアトモスフィア(空気)を追体験するような作品だ。リアリティに富んだ世界観を生み出したトラックメイカーは、kous・椎乃味醂・TeddyLoid・teppe・ポリスピカデリー・Rockwellという多彩かつ確かな面々。
- - - - - 【DECO*27 / コメント】
mzsrz 1st Album「現在地未明」サウンドプロデュースを担当したDECO*27です。ヨルヤンのオーディションから彼女たちの歌声と向き合ってきましたが、一枚を通してmzsrzの成長が感じられるアルバムになったなと感じています。5人のハーモニーをぜひお楽しみください!
・-・・ ・・・- -・-・- ・-・-・特に、新録されたリード曲「フェーダー」は、「綺麗なまま濁っていく」というパンチラインが心に痛い名曲。「待ちに待った未来は、ちゃんとあっていますか」という自問自答から始まる痛烈なメッセージはアルバム・タイトル「現在地未明」の核心を突いている。
▶︎「フェーダー」Music Video:
映像付き商品は2種類ラインナップされており、そのひとつは、シングル6作に「フェーダー」を含むリリック・ビデオ集。ajimita・APO+・Ocowa・がーこ・KICO・だ子・noka pi・まご山つく蔵・ゆうたONE・yoru・ZUMAなど人気クリエイターらが参加している。見応えあるカラフルな映像クリップ。
もうひとつは、豪華メンバーと共に創り上げたライヴ映像を収録。エレクトロ・ロックの先駆者sfprの『FZ(ギター/マニュピュレーション)』をバンマスに、ドラムは元FACTのメンバーでKen Bandのドラマーとして活躍する『Eiji Matsumoto』、『NOTHING TO DECLARE』『JPME』の『Mas kimura』、自身もアーティストとして活動しながら、まふまふなどのサポートでも活躍しているスーパー・ベースシスト『白神真志朗』、シキドロップのピアニストとして活動する『平牧 仁』らが集った。テクニック言うまでもないが、それ以上に素晴らしい発想で、広域に渡るmzsrzの多彩な楽曲を見事にライヴ・バンド・サウンドにアレンジしている。
▶︎「現在地未明」Live Video(本編より冒頭抜粋):
オーディションを通じて互いに出会うまでは、見ず知らずだったメンバーから、今はまだ見ず知らずのアナタ(=何万人という塊ではなくたった一人)に向けて歌っていくという想いを込めて付けられたmzsrz(ミズシラズ)という名前。
実は、もうひとつ『水』も由来となっている。決まった形を持たない流動的な透明を想起させるしなやかさを持つクインテット・ヴォーカルは、歌唱力では優劣の付けられなかった超ハイレベルな最終審査の中で、歌声のみで様々な感情に憑依できるか?にフォーカスして選ばれた。結果、それはグループに「歌うことで何者にでもなれる」という多様声を授けた。
踊ることもうまく笑うこともできない歌うだけのガールズバンドが代弁するのは、何の変哲もない日常を過ごすアナタと一緒に、ごくごく普通を、些細に祝って、些細に呪う micro music(ミクロ・ミュージック)。
それは、多くの “アナタ” にとっての “私の詩(ウタ)” だ。