2026年7月10日(金)、ナオト・インティライミが『ナオトの日 スペシャルLIVE 2026〜今さら開幕!?ティライミ館!!大阪ワンパク ほないこか!!』をフェスティバルホールで開催した。

世界デビューを目標に掲げ、日本とマイアミの2拠点で音楽活動を展開しているナオト。2026年1月の南米コロンビアのインディーレーベルとの契約発表、2月の15周年記念アルバム『REBOOT』リリース、そして5月のNaoto名義でのラテンデビュー…他にもトピックスはまだまだあるが、歩みを加速させる中で迎えた今年のナオトの日は観客の歌声や手拍子までもが楽曲を完成させる要素となる、かつてないほど観客参加型のライヴとなった。この夜についてナオトの言葉を借りて表現すると「格式あるフェスティバルホールで行ったストリートライヴ」。その模様をお届けしたい。
2026年の7月10日の ナオトの日は『ナオト・インティライミ LIVE TOUR 2026』の前半〜後半にかけてのちょうど合間の大阪が舞台となった。この夜も恒例の映像からスタート。会場であるフェスティバルホールが万博のパビリオン「お祭り館」であるという設定で、アバター女性アテンダントが館内を案内する映像が流れていく。実はこの「お祭り館」の地下にパリピのみ訪れることが可能な「ティライミ館」が存在する――その館長として登場したのが“アバター・インティライミ”だ。この日ここに集った私たちは「ティライミ館」の来館者。アバター・インティライミはたくさんの観客の中からひとりの男性を指名。マイクを渡し、ナオトの曲を歌わせるなどの愛あるコミュニケーションに会場が一体となって盛り上がる中、ようやくライヴが始まる気配――と思いきや、演奏はスクリーンの中から始まった。映像内で「タカラモノ〜この声がなくなるまで〜」を演奏しているバンドは、ボーカルがアバター・インティライミ、ギターもベースもドラムもキーボードの顔も…ナオト。スクリーン内の演奏に釘付けになる中、「待て待て待てぇ!」と1階席中央の扉から登場したのはナオト本人だ。「みんな、アバターでいいわけ!? 生身のライヴはAIにはできないでしょ?」と言いながらステージへ向かっていく。
「ナオトの日、おめでとーう!!」というのがステージからの第一声。この時点ですでにかなりホットな空気になっている会場の雰囲気を察して「このエネルギーを逃さずにすぐ歌おうな!」と楽譜をめくってどの曲から始めるか考えている様子。ステージに立つのはナオトひとりだけ、さらにセットリストやMCは事前に一切決めない“ノープランであること”が恒例であるナオトの日が、アコースティックギターをかき鳴らした「Brand new day」で滑り出す。1曲目から観客の大きな手拍子と歌声、コール&レスポンスが会場に響き渡る。もうクライマックスかと感じるほどの盛り上がりだ。その熱をキープしたまま演奏された「Tokyo Summer」でも、ナオトの演奏×観客の大合唱のコラボレーションが続く。そうしてみんなで曲を創り上げる楽しさに着目したナオトは「そんなにあなたたちが歌いたいならたくさん歌わせてあげましょう」と「My Great Days」「やんなっちゃうよな」「だぅと」を立て続けに披露。それぞれの曲の《まぐれでいいから》《やんなっちゃうよな》《バロックロック》というパートの歌唱を観客に委ね、そこにナオト自身が歌詞やラップ、ボイパ、ギターなどの音を重ねて曲の世界観をグッと膨らませる。途中からはその3つのフレーズをナオトの号令によって歌い変える音遊びに発展。ナオトが「ま!」と言えば《まぐれでいいから》、「や!」と言えば《やんなっちゃうよな》を歌うという、気まぐれな号令にしっかり食らいついていく観客たち。そんな音遊びを楽しみながら音を切らすことなく曲は「Sunday」へ。ここまで6曲、観客との双方向性を感じられるライヴをナオト自身がエンジョイしている様子が表情からもよくわかる。
ギターを置き、ナオトはピアノの前へ。「ちょっと初めから何かが宿ったね。あなたたちが宿らせたわ。あー、おもしろかった!」との言葉に大きな拍手が起こる。レア曲ばかりではなく名刺代わりの曲も少しやるね? と柔らかなピアノの音色と共に「ありったけのLove Song」、そして「Brave」を重ねる。どんどん高揚感が加速するライブだったけれど、ここでしっとりと曲を味わうモードに切り替わる。中でも「Brave」は、自分を信じて夢を追いかけ続けることの大事さを綴った曲。春に念願のラテンデビューを果たしたナオトが、歌詞を噛み締めながら歌う表情に決して諦めないマインドで夢を掴み取ろうとしている男の強さを感じる。
「今日はまるでストリートライヴみたいだよね」と言うナオトは、学生の頃青春18きっぷを使ってギターを片手に大阪に来たエピソードを披露する。梅田の歩道橋での演奏は立ち止まってもらえず時間だけが過ぎる中、通りすがりのおっちゃんに「兄ちゃんアメ村行かなあかんで!」と助言されアメ村の三角公園で弾き語りをした時のお客さんは4名…。そんな経験があるからこそ今も自由な感じでやれているし、メジャーデビューして長くやってきた中でこのストリート魂で演奏できる場があるなんて…と感謝を述べる。しかも昨日と一昨日はあの中森明菜さんが立っていたステージなんだよ! ここ! と、感慨深げだ。 その縁をつなぐかのように、中森明菜へ楽曲提供&プロデュースをした「FAKE」のセルフカヴァーを初披露。アコースティックギターの音に乗ったナオトの歌声は少し湿度と女性らしさも含んでいて、また新しい一面を見せてくれた。
「みんなどんな気分?」と問いかけるとたくさんのキッズの声が聞こえてくる。それに応えつつ選曲したのは「With」。エレキギターを鳴らしながら歌う中で歌詞に出てくる《おしり》というワードをフィーチャーし、おちゃめに連発する一幕も(あまりにも《おしり》を連発したためキッズから「なんでそんなこと言うねーん!」というツッコミも入った)。そして観客の拍手投票で選ばれた「線香花火」、懐かしい青春の日々が描かれた「青春サンポ」、会場に集まった男性客と女性客が異なる旋律を歌ってハモり、ナオトの歌声も重ねて美しいコーラスを生み出した「スパイス」へ。歌い終えたナオトは「スパイスは大学生の時の曲なのね」と話し、その延長で「高校生の時の超貴重な歌本を見せちゃおう」と青いキャンバスノートのページをめくり、会場スクリーン用のカメラに映す。見えたのは手書きの歌詞はもちろん、創った曲のタイトルがズラリと隙間なく書かれたソングリスト。その中で、実際にリリースしたのは現在まででたった2曲。その中から…と演奏されたのは、この日が金曜日であることにちなんだ「ため息まじりの金曜日」。金曜日の憂いと週末への期待が込められたこの曲は何より歌詞の言葉選びがストレートで、よい青さが漂う1曲。そのちょっとした照れ臭さを払拭するように歌われた「ユニーク」は、煌めいた青の照明が歌声とメロディー、軽やかな口笛の美しさをも際立たせていた。
「ユニーク」が終わると場内からは自然に手拍子が起こり始め、ライヴも終盤へ。その手拍子に、もうちょっと早くできる? とリクエストをして、テンポアップした音に合わせてギターを鳴らし始めるナオト。そのリズムに丁寧に言葉を乗せた「Believer」、ギターをジャカジャカとかき鳴らす音も情熱的に響いた「ハイビスカス」へ。そして「いくぞ!!」と吠えたナオトの言葉に全員が立ち上がって大きな手拍子を巻き起こした「Yeah!」がラストソングに。サビではみんなで歌い、一緒に手を振って全身で楽しむ観客の姿を愛おしそうな表情で眺めながら歌い上げるナオトの姿がとても印象的だった。
そしてやってきたアンコール。語られたのは2025年8月10日、大阪・関西万博で開催予定だったライヴのこと。開催当日の強風の影響で、残念ながらライヴは中止となった。実はこの日大阪のキッズダンサーたちを伴ったパフォーマンスが予定されていて、メンバー全員準備が整っていたにも関わらず披露できぬまま…。「あの大阪の悔しさは、大阪でしか返せないんです!」と呼び込んだ大阪・HIRO DANCE COMPANYに所属する49名のキッズダンサーと共に「カーニバる↑?」を歌い、踊ったナオト。キッズダンサーのキレある動きとハツラツとした笑顔に触発されていつも以上に飛び跳ね、さらに客席へ突入してはしゃぐナオトに誰もがタオルをぶん回して大きな声で歌い応える。最後の最後にやってきたおまっとぅりモード! 果たされたリベンジが例年以上の熱狂と感動を残した、2026年のナオトの日となった。
ステージの去り際にナオトが言ったのは「じゃあ、札幌行ってくるわ!」。この日から間をあけず、彼はまた『ナオト・インティライミ LIVE TOUR 2026』の後半戦へと突入するのだ。ここから8月上旬まで、また各地へ音楽を届けるパワフルな旅が続いていく。
文:桃井麻依子









ライブ情報
「ナオトの日 スペシャルLIVE 2026~今さら開幕!?ティライミ館!!大阪ワンパク ほないこか!!~」
<開催日時>
2026年7月10日(金)17:30開場 / 18:30開演
<開催場所>
フェスティバルホール(大阪)
【「ナオトの日2026」特設サイト】
https://www.nananaoto.com/2026_special/
「ナオト・インティライミ LIVE TOUR 2026」特設サイト
https://www.nananaoto.com/2026_tour/
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