📎 【ライブレポ】INORAN「TOUR Determine 2026」グランドファイナルをレポート。進化し続けるグルーヴと不変の想いで紡ぎ上げた「ニライカナイ」最終章の夜。

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INORAN「TOUR Determine 2026」グランドファイナルをレポート。進化し続けるグルーヴと不変の想いで紡ぎ上げた「ニライカナイ」最終章の夜。
撮影:Yoshifumi Shimizu

10月30日、INORAN(LUNA SEA)がZepp DiverCityにて、「TOUR Determine 2026 GRAND FINAL“Naked Again”」を開催した。2025年、アルバム『ニライカナイ』(2007年)をリレコーディングした『ニライカナイ-Rerecorded-』をリリース。現在の息吹を吹き込んで再構築した名盤を携えたリヴァイヴツアーは好評を博し、今年2~3月には、アコースティック・アレンジで装い新たに『ニライカナイ』を届けるBillboard Liveツアー「CLASSICAL ニライカナイ」も開催。作品に宿る熱はそのままに、様々に変化・進化させながら紡いできた『ニライカナイ』の物語が、ついにグランドファイナルを迎えたのが、このアンコールライヴである。

ステージセットには縦長の3つの巨大な鏡。SEの「Discus」が流れる中ステージが照らされると、観客の姿が鏡に映し出されていく。まずはドラマーのRyo Yamagata、ベーシスト・u:zo(ex.RIZE)、ギタリスト・Yukio Murata(MY WAY MY LOVE)が位置につき、最後にゆっくりとINORANが登場してセンターへ。その後ろ姿が鏡に映り、前からと背面からの両方のパフォーマンスを同時に観られる、摩訶不思議なステージ空間が出現した。

「Determine」のイントロが流れてINORANが手を挙げるとファンも渇望するように手を伸ばし、想いは一つに。早々にスタンドからマイクをもぎ取って、ステージを動き回りながらエネルギッシュにパフォーマンスするINORAN。<君なしでは生きられない>というフレーズを一語一語、ハッキリと区切りながら歌っていたのが耳に残った。そのまま「Diffused reflection」へ突入すると、台に乗って仁王立ちになったかと思えばしゃがみ込んだり、俊敏に動きながら生き生きと、フロントマンとして歌を届けていく。

本公演は、ライヴハウスではあるが全席指定での開催が予め発表されており、オフィシャル・ファンクラブNO NAME?限定販売のプレミアムシートも設置。このプレミアムシートには公演当日のリハーサル見学などの特典が用意されており、ファンに新たな楽しみを提供していた。

「10月30日、Zepp DiverCity TOKYOへようこそ!」と呼び掛けると、早速メンバー紹介をして、「今日ここで時間を共有するため、最高の時間にするため、待ちに待ってました。今日ここにいることを選んでくれたみんなにも、心から感謝」と語り掛けて、「raize」へ。『ニライカナイ』収録曲が続くセットリストにしっくりと溶け込む、INORAN楽曲のエバーグリーンの一つである。「Everybody!」というINORANの掛け声に、ファンは即座に反応してシンガロングする。マイクを両手で握り<哀しみで強くなれた>と勇ましく歌う熱に呼応するように、Ryo、u:zo、Murataの演奏が昂っていき、それを受けてINORANは気持ち良さそうにフェイクを歌った。

熱狂の後、ひんやりとしたムードに転じて始まった「Cloudiness」のラストでは、無音の中で圧巻の独唱を響かせたINORAN。「Walk Along」の穏やかなイントロが鳴り始めると、後ろを向いて鏡に映る情景を眺め、その全てを抱き抱えるように大きく両手を広げた。INORANが歌いながら手をワイプさせ、ファンもそれにならうと、煌々としたライトがステージだけでなくフロアも照らしていく。曲が終わり笑顔で佇んでいたのは、あるがまま自然体の、まさにNakedなINORANに思えた。再び両手を広げたのを合図に演奏が止まると、ファンは大拍手で讃えた。

「ヴォーカリストは大変だ。ここですぐしゃべらないといけないもんね」と笑ったINORAN。LUNA SEAのホールツアーは10月18日にファイナルを迎えたばかりで、追加アリーナ公演を12月に控えている中、ギタリストというポジションと対比した実感なのだろう。『ニライカナイ』というアルバムを「皆さんの大好物」と表現すると、さらに、このバンドが14年続いていることを感慨深そうに振り返りながら、今年はバンドセットでのソロ公演は、香港と台湾公演しかできなかったことを「寂しかった」とコメント。長くブランクがあっても「このバンドは一瞬で戻るんです」とも語り、長年掛けて4人で練り上げてきたグルーヴ、ピッタリと合った呼吸感への信頼を窺わせた。このINORANソロバンドが誇る、絶え間なく音が降り注ぐような心地良い音のアンサンブルを、「I miss you」「存在のカケラ」ではありありと体感することができた。曲の持つ繊細な世界観は壊さないまま、サウンドはより骨太かつ情熱的に深化。3つの鏡と色とりどりに煌めく光が交錯するステージは、まるで万華鏡の中に入り込んだかのような錯覚を起こさせる、夢のように美しい空間だった。その真ん中でINORANは魂のこもった歌声を響かせ、聴く者の心を震わせた。

メンバー3人によるインストゥルメンタル「Anything」では、それぞれの個性が炸裂するセッションが異世界へのトリップ体験をもたらした。INORANはそんな3人を拍手で労いながら再登場。ライヴは後半へと進んでいく。バンドとして音を出すことができる喜び、スタッフやファンへの感謝を切々と語った後、「19年前に書いた曲なんですけど、今でも色褪せない、二人称とか何人称ではなくて……みんなにあてはまる愛の歌だと思っています」との紹介から、不朽のラブソング「時の色」を披露した。<I love you>と繰り返し伝えるストレートな歌を、柔らかいファルセットと力強いロングトーンを織り交ぜ、エモーショナルに歌い届けたINORAN。最後は両手を握り合わせ、天を仰ぐように顔を上げて曲を終えると、大きな拍手が会場に鳴り響いた。

背後の鏡を覗き込み、映り込んでいる観客たちにINORANはうれしそうに手を振って、次曲はスマートフォンでの写真撮影OK、「#イノショ」と付けたSNSでの拡散を推奨している人気コーナーへ。ファンは一斉にスマートフォンを構えた。放ったのは多幸感溢れる「Unstoppable」だ。INORANは序盤で小刻みにジャンプし、大きく両手を広げて台の上で仁王立ちになったり、ステージを上手下手へと動き回ったりと、全身からエネルギーを溢れさせるようなパフォーマンスでファンを沸き立たせた。手をワイプさせながら“ラララ”の大合唱になる場面では、「One more!」と繰り返し叫び、熱唱が返ってくるとINORANは嬉しそうに両手でハートを作るキュートな場面も。ここまではヴォーカリストに徹していたが、ギターを受け取ると、「もっともっと美しい場所にしましょうか?」と煽り、最強のアンセム「Beautiful Now」で会場を一つにした。

ハンドマイクで軽やかにステップを踏み、笑顔でマイクを幾度もフロアに向けてコーラスを求めた「Rise again」。再びギターを構え、爪弾きながら「最高だね。ずっとこの瞬間を、どれだけ夢見てきたか。ホントに音楽って素晴らしいね。感極まっちゃって……」とINORAN。生まれる命があり、逝く命もある中で、「希望だけは持っていきたいな、という曲」と紹介して「Thank you」を熱唱。一音一音に込められたパワー、熱量の凄まじさには驚くばかり。ファンのコーラスとバンド演奏はガッツリと絡み合って、心地良いうねりを生んでいた。

大歓声の中、「本当に本当に感謝しかない。どうもありがとう!」とINORANは語ると、「2027年はLUNA SEAのメンバーそれぞれソロ30周年。当然チームINORANもフルパワーで行きたいと思ってます」とコメント。メンバー間の良好な関係が伺える和気藹々としたやり取りで笑わせた後、「このバンドでたくさんライヴをやりたいと思ってます」と決意表明も。そして、1月8日には、品川教会でプレミアムニューイヤーライヴを行うことを発表し、ライヴ直後からファンクラブ先行受付第一弾がスタートすることも告知。場内には歓喜の声が響いた。

最後に届けた「All We Are」ではファンの大合唱が轟き、そのエネルギーを光源とするかのように、フロアは明るく照らされていった。Ryoのほうに3人が身体を向けて呼吸を合わせ、最後の音を全員で鳴らすと、ギターを高く掲げて晴れやかな笑顔を見せたINORAN。再会の約束をすると、ファンは大拍手で応えた。INORANはマイクを通さずに声を張り、「素敵な素敵なグランドファイナルをどうもありがとう。2027年も、このメンバーでたくさんたくさんお前らに会いにいくから、よろしくね。どうもありがとうございます!」と挨拶。4人は互いに肩を組み、想いが伝わってくるような、深く長いお辞儀をした。

時が流れても、音楽に込めた想いは永遠であり、ライヴで共有した熱は不変であるということを体感できた、約2時間。海の彼方にあるという理想郷・ニライカナイがまさにそうであるように、音楽とは、ライヴとは、生と死の境を越えて大切な人たちと再会できる場を与えてくれる、ということ。2007年、2025年、2026年と時を経て紡がれてきた『ニライカナイ』の物語を、そんな実感と共に味わうことのできた、感無量のグランドファイナルだった。

ステージで本人から発表があったように、2027年はソロ活動30周年を迎えるINORAN。アニヴァーサリー・イヤーの幕開けを飾るのは、1月8日のアコースティック・ライヴ。ピアノに葉山拓亮、ギターに菰口雄矢を迎え、品川教会グローリア・チャペルというINORANにとって初の空間で、音楽表現の新たな扉を開く。2ステージのうち"1st SHOW"はファンクラブ限定開催となっており、ステージでも告知がもあったように、既に最速先行予約がスタートしている。レジェンドと呼ばれるキャリアを誇りながら果敢な挑戦を続け、自由で幅広い活動を繰り広げているINORAN。ソロ30周年という記念すべき年には、どのような新しい景色を見せてくれるのだろうか? 楽しみに待ちたい。

取材・文:大前 多恵
撮影:Yoshifumi Shimizu

<LIVE INFORMATION>

INORAN SOLO 30th Anniversary
Premium New Year Live 2027
at 品川教会 グローリア・チャペル

2027年1月8日(金)
品川教会 グローリア・チャペル

1st SHOW
開場15:00/開演15:30/終演17:00(予定)
※INORANオフィシャルファンクラブ「NO NAME?」限定販売

2nd SHOW
開場18:30/開演19:00/終演20:30(予定)

[出演]
INORAN(Vo&G)
葉山 拓亮(Pf)
菰口 雄矢(G)

[チケット料金]
全席指定 ¥11,000(税込)

●INORANオフィシャルファンクラブ「NO NAME?」最速先行
【受付期間】10月30日(金)21:00~11月9日(月)23:59
期間内のご入会で先行予約へお申込みいただけます。
ご入会はこちらから https://inoran.org/pages/no-name

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