ドノヴァン・フランケンレイターがフル・バンドで魅せた最高にファンキーなライヴ、東京公演ライヴ・レポート! - 日刊エンタメクリップ

ドノヴァン・フランケンレイターがフル・バンドで魅せた最高にファンキーなライヴ、東京公演ライヴ・レポート!

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ドノヴァン・フランケンレイターがフル・バンドで魅せた最高にファンキーなライヴ、東京公演ライヴ・レポート!

Photo by SHUN ITABA

サーフィンをこよなく愛する、ギターを抱えた吟遊詩人、ドノヴァン・フランケンレイターが9年ぶりとなる新作『ゲット・アウタ・ユア・マインド』を引っ提げ、現在日本ツアー中。

フル・バンドで魅せたファンキーな東京公演のライヴ・レポート。ライヴ写真も必見です。

〇松永尚久氏によるライヴ・レポート

ハロウィーンの喧騒でいつもとは違う風景をみせる渋谷にて、昨年のフジロックフェスティバル(Gラヴとのコラボレーション)以来の来日公演。デビュー・アルバムの発表から20年もの間、ドノヴァンの音楽と共に人生の波を楽しんでいるリスナーを中心に会場は埋め尽くされ、街の異様な雰囲気とは異なるピースなムードと熱狂に包みこまれていた。

オープニング・アクトを務めたオーストラリア出身のシンガー・ソングライター、ジギー・アルバーツのパフォーマンスで会場がさらにヒート・アップしたなか登場したドノヴァンは、オーディエンスにまるで旧知の友人と再会したような気軽さで、ステージに登場。9月にリリースされたばかりの9年ぶりのオリジナル・アルバム『ゲット・アウタ・ユア・マインド』よりタイトル・トラックを披露する。今やドノヴァンの相棒的存在であるマット・グランディ(B)をはじめとするバンド・メンバーと繰り広げるグルーヴは、西海岸をドライブしているような爽快なもの。また、ドノヴァン独特のハスキーでソフトな歌声が、柔らかな日差しを感じさせた。それらが渾然一体になったことで、固定概念にとらわれずに、フリーな気持ちで自分らしく人生をエンジョイしていけばいいというメッセージが、より鮮明に伝わってきた気がする。実際、そのパフォーマンスを観ているオーディエンスの表情は、どれも緊張感のほぐれた優しいまなざしで、ドノヴァンを見つめていたのだった。

その後「ムーヴ・バイ・ユアセルフ」(2006年発表)や、「ユア・ハート」(08年)などのヒット曲を、興奮のセッションを交えて立て続けに披露し、会場にさらなる興奮とほんのりとノスタルジアをもたらし、最新作から「オール・アイ・エヴァ―・ウォンテッド」をパフォーマンス。さまざまな人生経験を積んでわかった自分にとって大切なもの、信じるべきものについてを歌った、アイランド・テイストに溢れたナンバー。ドノヴァンが暮らすハワイ・カウアイ島を連想させるスローなヴァイブが、甘美な夢の世界へと導いていったのだ。続く、最新アルバムのオープニングを飾る楽曲「ネヴァー・トゥー・レイト」と、終盤に収録されている「ガッタ・ビリーヴ」で、人生に遅すぎることなんてない。自分に制限をつけずに信じることを追求すればいいというメッセージ(ブルース)を優しく響かせ、会場にさらなる美しい余韻を紡ぎだしたのだった。

さらにデビュー作から「コール・ミー・パパ」を披露すると、オープニングに登場したジギーをステージに招き、最新作日本盤のボーナス・トラックに収録されている「アイル・カム・ア・ランニン (feat. ジギー・アルバーツ)」をセッション。共に波、自然を愛するゆえか、とても息のあったハーモニーを響かせながらも、ドノヴァンが伝える穏やかなヴァイブを、今後一緒に歌い繋いでほしいという思いも伝わってくるパフォーマンスになったと思う。

本編ラストでは、「フリー」と「イット・ドント・マター」で、デビュー・アルバムの発売20年をセレブレーション。時間をかけてじっくり熟成された雰囲気を感じる、深みと厚みを感じさせるサウンドへと進化しながらも、一瞬にして口ずさんでしまうキャッチーなドノヴァン節はどんなに時間が経過しても輝きを失わないものであると実感させられるものであった。また「イット・ドント・マター」では、本来はインスト・セッションを繰り広げ、バンド・メンバーを紹介すると思われた場面で、オーディエンスが自然とフレーズを口ずさみ始める。その様子にドノヴァンは驚いた表情をみせながらも、ハプニングを楽しそうに受け入れ、ハーモニーにあわせて演奏を進めていく。そう、観客もパフォーマーの一員となってセッションが繰り広げられるという、フレンドリーなヴァイブを持つドノヴァンだからこそ作ることができる、スペシャルなグルーヴが生まれたのだった(これは興奮)。

その熱狂の余韻が冷めぬなか、即座にアンコールに応え「スウィング・オン・ダウン」をパフォーマンスし、およそ90分にわたるエキサイティングかつ夢のような時間は終了。ドノヴァンも充実した表情を浮かべ、何度もお辞儀をしてステージを去っていった姿が印象的だった。

だが、ドノヴァンとの旅はまだまだ終わらない。本日、11月1日には大阪:梅田シャングリラでの公演が控えており、また残念ながら会場に足を運べなかった人も、最新作をチェックすれば、その空気や「これから起こるかもしれないことや、すでに起こったことを心配しないで。過去は過ぎ去り、未来はまだ来ないのだから、自分の魂が自由になれる今を生きればいい」という今を生きるための力強いメッセージを感じとることができる。そう、ドノヴァンと作るビッグ・ウェーヴはこれから生まれるのだ。

2024年11月1日 松永尚久

ドノヴァン・フランケンレイターがフル・バンドで魅せた最高にファンキーなライヴ、東京公演ライヴ・レポート!

Photo by SHUN ITABA

ドノヴァン・フランケンレイターがフル・バンドで魅せた最高にファンキーなライヴ、東京公演ライヴ・レポート!

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Photo by SHUN ITABA

ドノヴァン・フランケンレイターがフル・バンドで魅せた最高にファンキーなライヴ、東京公演ライヴ・レポート!

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ドノヴァン・フランケンレイターがフル・バンドで魅せた最高にファンキーなライヴ、東京公演ライヴ・レポート!

Photo by SHUN ITABA

10月31日(木)渋谷クラブクアトロ 演奏曲目

Get Outta Your mind

Move By Yourself

What’cha Know About

Your Heart

All I Ever Wanted

Them Blues

Big Wave

Never Too Late

Gotta Believe

Heading Home

Call Me Papa

I’ll Come A-Runnin‘

Byron Jam

Free

It Don’t Matter

Swing On Down

アルバム情報

ドノヴァン・フランケンレイターがフル・バンドで魅せた最高にファンキーなライヴ、東京公演ライヴ・レポート!

ドノヴァン・フランケンレイター『ゲット・アウタ・ユア・マインド』

発売中

¥2,860(税込)

品番:SICX-202

仕様:CD(解説・歌詞・対訳付)

https://SonyMusicJapan.lnk.to/DFICR

収録曲

1. ネヴァー・トゥー・レイト

2. オール・アイ・エヴァ―・ウォンテッド

3. ユーアー・オールウェイズ・ザ・ワン

4. アイル・カム・ア・ランニン

5. ノーバディーズ・ゴナ・ノウ

6. アライヴ

7. スティルネス・オブ・ザ・ナイト

8. ガッタ・ビリーヴ

9. ゲット・アウタ・ユア・マインド

10. ネヴァー・トゥー・レイト (feat. ベン・ハーパー)*

11. オール・アイ・エヴァ―・ウォンテッド (feat. コルビー・キャレイ)*

12. アイル・カム・ア・ランニン (feat. ジギー・アルバーツ)*

13. アライヴ (feat. トレヴァー・ホール)*

14. ガッタ・ビリーヴ (feat. ブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマ)*

* 日本盤のみ、ボーナス・トラック

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