ポップしなないでによるワンマンライヴ『美しく生きていたいだけ』ツアー恵比寿リキッドルーム公演が開催! - 日刊エンタメクリップ

ポップしなないでによるワンマンライヴ『美しく生きていたいだけ』ツアー恵比寿リキッドルーム公演が開催!

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ポップしなないでによるワンマンライヴ『美しく生きていたいだけ』ツアー恵比寿リキッドルーム公演が開催!

撮影:ゴンダイメグミ

3月27日、各地で桜の開花が報じられ暖かな日差しを感じられる天候の下、ポップしなないでによるワンマンライヴ『美しく生きていたいだけ』ツアー恵比寿リキッドルーム公演が開催された。

本公演は、去年発売されたミニアルバム「美しく生きていたいだけ」のリリースを記念した全国5カ所を巡るツアーの最終公演になる予定だったのだが、ツアー初日の福岡公演、翌週の宮城公演が延期になってしまった経緯があるものの、ポップしなないでとしては過去最大規模でのワンマン・ライヴとなっている。

開演時間を過ぎ、フロアが暗闇に包まれると自然に拍手が起こる。しかし、その拍手を打ち消すが如く落雷と雨、まるで台風の中にいる様な環境音が鳴り響く。雷を模した様なストロボの中、ポップしなないでの2人がステージ上にいる事を確認した。

かめがいあやこ(Vo/key)の掛け声と共に黒雲から刺す木漏れ日の様な照明が差し、1曲目「フルーツサンドとポテサラ」が始まる。登場SEからの一連の流れはまるで映画を観ているかの様に聴き入ってしまった。

“恵比寿リキッドルームへようこそ、ポップしなないでだ!お前ら全員丸ごと救いに来たぜ!”と、かめがいの力強いMCから間髪入れずに「救われ升」が始まる。

跳ねる様なメロディに曲に合わせてフロアからは自然と手が上がり、まだ始まったばかりのライヴとは思えない一体感が出ている。

かと思いきや、急にメロウなムード溢れる「クラヤミライダー」が続く。フロアでは皆、音に身を任せて身体を揺らしている。トラックが鳴り響く中、かめがいとかわむらによる歌が重なるサビ前の『ラーラーラー…』、声が出せる環境であればメンバーと共に合唱したいという思いをグッと胸の中に押し込め、それでも十分楽しめている様子がフロアから伝わってくる。

曲が終わり明るくなったフロアに向かって挨拶をするかめがいから“こりゃ凄いわ“という言葉が。

これは改めてフロアを埋め尽くす観客を確認し、驚き漏れた心の声だろう。

ここで今回のライヴでのバンドメンバー2名の呼び込みを行い、バンドセットに。

今回のツアー、そして本日の公演が開催されるまでの過程や想いを語り、“一人ひとりの想いで、一人ひとりの価値観で、美しく生きていきましょう”とかめがいが述べ、「⽀離滅裂に愛し愛されようじゃないか」が始まる。

決して先ほどまでの2人編成での音が物足りなかった訳ではないが、小刻みなギターのカッティングと輪郭のしっかりとしたベースが入った事によって彩りが生まれる。

続く「city pops」もイントロからベースがメロディに奥行きを与え、痒いところに手が届く様なギターフレーズが心地良い。そしてここでまだ音源化されていない楽曲「どうすんの?」。イントロから存在感のあるムーディーなベースと主張し過ぎないながらも小技の効いた気持ち良いギターフレーズが曲の良さを十二分に引き出してくれている。

ここで一旦バンドメンバーが退場し、かわむらが心の内を語る。

“バンドやってる人にとって、リキッドルーム・ワンマンっていうのは意味を、憧れを持つわけよ。あなたはそういうの関係ない人だけどね”とかめがいの事をいじりつつ、続けて“実際にステージの上に立ってみてね、大した事ないなって。もの凄い怖い景色があると思っていた。ただ単純に俺たちの事を支えてくれる人たちがいっぱいいるだけだった。ありがとうございます”とフロアに向かって感謝の意を伝える。

「tempura」からまた演奏が再開。先ほどまでのバンドセットではなく本来の2人編成に戻ったものの、タイトルのおふざけ感とは裏腹にとても繊細で綺麗なこの曲にはシンプルな4つ打ちのリズムとキーボードという最少数の演奏がとてもマッチしている。途中、かめがいの“ダンス!”という掛け声に合わせて天井のミラーボールがフロアを明るく照らし出す演出も素晴らしい。

続いて「魔法使いのマキちゃん」も前曲同様に2人編成の音数シンプルに聴かせるかと思いきや途中、拍子の変わる間奏では2人とは思えない様な壮大な熱量を見せつけ、「Creation」に繋げる。

ダンサンブルな4つ打ちドラムに合わせて体を小刻みに揺らすフロア。手拍子をしたり、手をあげたり、それぞれの楽しみ方でライヴを味わっているのが伝わってくる。キレの良い曲の終わりに合わせ大きな拍手がフロアを包む。

拍手が落ち着くとキーボードの独奏から「SG」が始まる。

ポップしなないでには珍しいバラード調のしっとりとした演奏に先ほどまでの沸き立つフロアと打って変わって、かめがいの歌とキーボード、かわむらのドラムの音の一つひとつを吟味している様子である。

バンドをやってなかった私も架空の過去のバンドを思い出すこの曲。フロアの中にも同じ様な回想をしていた方も多かったのではないか。

かめがいの呼び込みで再度バンドメンバー3人登場。

するとかわむらから“さっきリキッドルーム大した事ないって言ったけど、あれ嘘でした。大した事だなぁ”との声が溢れ一同が談笑。

ここで今回のバンドメンバーがアルバム作成にあたって参加していた事や、制作中の後日談も語られる。

メンバー紹介を終え、ここでかめがいから“皆さんで踊りましょう”と、新曲「UFOを呼ぶダンス」を披露。

アップテンポで4つ打ちのこの楽曲は初披露にもかかわらず、フロアは身体を揺らし音に酔いしれている。

ここで山内かなえ(Gt)のみがステージから去り、「でも暮らし」がスタート。サビの『しないで多数決』のフレーズに合わせてフロアからは手が上がる。

さらにここでカワノアキ(Ba)もステージを後にし、かめがいの歌い出しから「Sunset」が始まり打ち込みのビートが響き渡る中、赤と青の妖艶な照明が、陽が落ちて夜が訪れる様を表し、日没と共に曲が終わり静寂が訪れる。その静寂を打ち破るキーボードの音から「夢⾒る熱帯夜」が始まる。サビ前の高まる気持ちを乗せ、フロアは上に掲げた手で手拍子を取り、まさに歌詞にある『リズムに乗ってワンツースリー』を体現していた。

ここでかめがいから“ポップしなないでの音楽っていうのはみんなの、一人ひとりの孤独な部分に触れられる音楽だと思っています”という言葉が添えられ、本編最後の曲「2⼈のサマー」がスタート。

ギターリフに乗せたかめがいの唄にかわむらの声が重なり、さらにそこにベース、マニュピレーター、キーボードの音が重なり改めて今回のバンドメンバーを迎えた5人体制の音のバランスや完成度が感じる事ができた。曲の終盤、かめがいのアナウンスにメンバー一人ひとりが退場していく様子は過ぎ去っていく夏の寂しさを音としても、視覚としても漂わせていた。

かめがいとかわむらがステージを去って間も無くアンコールを望む拍手に答え、間髪入れず2人が再登場。

改めてフロアに対して感謝の気持ちを伝えると共に、7月16日に渋谷WWW Xにて自主企画『初夏それから。』の開催を発表。

アンコールでは多くを語らず曲で感謝を伝えるかの様に本来の2人での編成で「.⾔うとおり、神さま」と「丑三キャットウォーク」を披露し、終演を迎えた。

なお、今回のツアーの初日と2カ所目を予定していた福岡、仙台公演はメンバーの新型コロナウィルス感染により延期となり、4月30日 福岡UTERO、5月15日 仙台spaceZeroの振替公演も決まっている。

こちらの払い戻し分チケットの販売は現在発売を行っているので気になった方は是非足を運んでみてはいかがだろうか。

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撮影:ゴンダイメグミ


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