6月29日(土)に麻布台ヒルズ ヒルズタワー34階にて、『ELLE ACTIVE! FESTIVAL2024』が開催され、
第4部のトークイベントでは、エシカルコーディネーターのエバンズ亜莉沙氏と元女子サッカー選手で現在は藍染師として活躍する品田彩来氏、Circular Initiatives&Partners代表を務める安居昭博氏の3名が登壇。
(※以下、エバンズさん、品田さん、安居さんで記載)
第4部では、『スローなファッションを楽しもう。消費の新しいカタチ』と題して、日々の生活にときめきを与えてくれる半面、近年の早すぎる消費サイクルによる地球への負担に着目し、「背景を知って長く着る」、「新しく買う以外の選択肢を楽しむ」など、現代が必要とする“スローファッション”のはじめ方をエバンズさん、品田さん、安居さんの3名がトークセッションしました。
MCの合図でステージに登壇したエバンズさん、品田さん、安居さん。3人はそれぞれ自身の活動についてスライドを使いながら自己紹介をしてくださり、イベントにご参加いただいた方たちへ順番にご挨拶を述べました。
ご挨拶後はエバンズさんがMCに代わり進行を務め、トークセッションがスタート。早速、ご自身でも研究家として活動されている安居さんに「サーキュラーエコノミー」について質問すると、安居さんは「従来は資源を取って・作って・使って・捨てるという一方通行型モデルだったけど、サーキュラーエコノミーの最大の特徴としては、私たちが何か新しいビジネスモデルを組み立てていく。もしくは、行政や国が政策を形作っていく。そして商品の設計やデザインを施す。初めの段階から覇気が出ない仕組み作りが実践されているところです。」と、スタートから捨てるという選択肢を作らない新しいビジネスモデルの仕組みであることを丁寧にご教示くださいました。続いて、もと女子サッカー選手という経歴を持つ品田さんに藍染師へ転身した理由を伺うと、品田さんは「(サッカー選手として活動している中で)地球環境の著しい変化に対して自分の中で危機感を感じてしまいました。小さな抵抗でも自分で何かをしたくなったのがきっかけです。いろいろな社会問題が裏側から見えてきて、もう一度勉強をしなおしたいと準備している最中に、藍染に出会い魅力を感じました。」と藍染師に転身した理由を述べました。また、普段から“捨てる”ことを減らしている3人ですが、「どうしても“手放さざるを得ない”ときはどうするか?」という問いに対し、品田さんは「なんで不要なのか?をいつも考えるようにしています。汚れちゃったり、色やデザインが気に入らない場合は、藍染をしたらいいファッションアイテムとして生まれ変わります。」と答えました。さらに3人とも服以外のものに対しては、コンポスト(堆肥)できるものを使うように意識していると、小さいことから取り組めることも教えてくださいました。
そして、今回のトークイベントのテーマでもある“スローファッション”について、個人としてどんな楽しみ方を見出せるか、という質問に品田さんは「好きなものを極めたり、心地よいものを探していくこと。そうすると辿り着いた先にスローファッションがあるなと思います。」と、安居さんは「ひとり一人が気になったことから始めてみたり、手にとってみたりすることがいいんじゃないかと思います。自分がいいなと思うものを着たり、食べたりすると自分が気持ちよかったりする。ひとり一人が自分と向き合って、ひとつずつ取り入れるのがいいかもです。」とお答えし、もっと“スローファッション”が世の中に普及するための楽しみ方や実践方法についてアドバイスを求められた際に安居さんは「現場に足を運んで自分で手足を動かして体験したりすると、おもしろいので、消費者から利用者へという部分を楽しみながら、深くそれぞれの事柄を知っていくというのを、僕もまだまだやっていきたいです。」と、品田さんは「難しい問題のように見えるけど、調べてみると楽しいものとか実践できるものがたくさんある。でも逆に言うと調べないと出てこない。作り手、企業側がその壁を感じさせないように身近に溶け込ませるかが重要ですし、こっち(発信する)側の努力がもっと必要です。」と独自の見解を述べました。
最後にエバンズさんが「自分で現場に行って触れてみると、ものをもっと大切にしようという気持ちが芽生えると思います。環境の持続可能性を考えるときに、文化の持続や環境の持続がなかったら寂しい。自然と共存して育んできた文化や伝統技術だったりするので、そういうところを大切にするところから、今回の話に繋がっていくのかなと思います。」と、本トークイベントに参加されての感想とイベントにご参加いただい方たちにメッセージを残し、終始活気ある雰囲気の中で、無事イベントは終了いたしました。
『ELLE Japon(エル・ジャポン)』について
世界で愛されているファッション誌『ELLE(エル)』の日本版として『エル・ジャポン』(毎月28日発売)は1989年に創刊、2024年に35周年を迎えます。コンセプトは「Open your appetite –好奇心いっぱいに生きて」。1945年のフランスで初めての『エル』が発刊されたとき、『エル』の創始者であるエレーヌ・ラザレフが読者に向けて語りかけた言葉です。ファッションをキラーコンテンツに、ビューティ、カルチャー、ライフスタイルなど、今に生きる女性たちを元気にするメッセージと明日へのイメージを高感度に発信します。そして1996年、初の女性誌ウェブマガジンとして誕生したのが『エル デジタル』。2021年に25周年 を迎えた『エル デジタル』は、時代のニーズに合わせて進化を続け、デジタルファッションメディアのパイオニア的存在として、圧倒的なボリュームのオリジナル記事を毎日更新しています。
また、『エル・ジャポン』の雑誌には、「FSC® 認証」※1の紙を使用しています。紙面においては、環境に配慮されたベジタブルオイルインク、nonVOCink( 一部除く) を使用しています。2023年3月からはグリーン電力の導入※2による印刷・製本でお届けしており、責任ある調達と雑誌づくりを目指しています。
※1 適切に管理された森林と、責任をもって調達された林産物に対する国際的な認証制度(ライセンス番号: FSC® -C 103651)※2グリーン電力の導入とは、「グリーン電力証書システム」を使用した取り組みです。自然エネルギーにより発電された電気の環境付加価値を「グリーン電力証書」という形で取引しており、「グリーン電力証書」を購入することで、証書に記載された電力量(kWh)相当分の自然エネルギー由来の電力を使用しているとみなされ、国内の自然エネルギー普及や温暖化の抑制、省エネルギー(化石燃料の消費削減)等に貢献することができます。