見た目、性格、家庭環境、学歴、出自、性など、異なるコンプレックスを抱えた6人がスカウトされ、結成されたボーイズグループ「ODDLORE」。今年2月18日に「Hazed Reality」、25日に「Lucid Dream」を配信でリリース。異なった個性を持った6人の表現と、構築性の高い楽曲、そしてアブストラクトとも言えるミュージックビデオを通して立ち現れた、ボーイズグループの中でも独特の異彩を放つODDLOREの世界観は話題を呼んだ。以降もコンスタントな楽曲とMVのリリースやYouTube上に発表された、メンバーにフォーカスを当てたドキュメンタリーなどを通して、デビュー時には多くがベールに包まれていたその存在性を、徐々に明らかにしている。
その彼らが、デビューから約7ヶ月を経て、待望の有観客ライブ「ODDLORE FREE LIVE -Under Test 01-」を池袋「Club Mixa」にて昼夜2公演で開催した。本稿ではその昼公演をレポートする。
開演の時間となり、会場の照明が落ちると、ステージ上のスクリーンにはODDLOREのデビュートレーラーが流れ、メンバーのKOYA、RION、RYUICHIRO、RIKITO、JOSH、YUIがステージに登場。そしてライブは楽曲ではなく、メンバーのダンス・パフォーマンスがメインとなる「Under Test -Dance Performance-」からスタート。フォーメーションを組みながら、ダンスをユニゾンさせ一体感で魅せるパートに加えて、メンバーひとりひとりが中心となり踊るパートも組み込まれ、ソロを取るパートでは、メンバーごとの個性をダンスに織り込むことで、各人のポテンシャルをそこに表現。
そのまま「Hazed Reality」のパフォーマンスに展開し、楽曲の世界観をボーカルに加え、コンテンポラリーダンスを思わせるような演劇的ともいえるダンスで提示していく。そしてKOYAとRIONのラップがその空気を一変させるように切り込む「Lucid Dream」。セカンドバースでのJOSHとYUIのタイトなラップも含め、ボーイズグループらしいタフなアピールで観客を惹きつける。
ライブはこれまでのリリース順に、そして各メンバーに焦点が当てられた楽曲群に展開。リーダーであるKOYAにフォーカスした「The Revelation」では、マイクスタンドを立てたパフォーマンスで、KOYAをセンターにそれぞれのメンバーが歌でその楽曲世界を紡ぐ。RIONにフォーカスした「SKIN DEEP」は、アップテンポなビートにスウィング・ジャズやダンスホールレゲエなど様々な音楽要素が飛び出す明るい楽曲と、フォーメーションを組んだダンスで派手に魅せる。RYUICHIROとRIKITOのハーモニー、そして身長差を活かしたパフォーマンスも印象に残る、RYUICHIROを中心にした「BRIGHT SIDE」、そして9月9日にリリースされたばかりのRIKITOにピントを置いた「where I belong」と展開し、これまでリリースされた楽曲を全て披露し、メンバーはステージを降りた。
観客の拍手に併せて再びステージに登場した6人。リーダーであるKOYAの「自己紹介がまだだったので」という言葉から、各人が観客に挨拶し、再び大きな拍手が送られた。そしてMCパートでは、KOYAは「この凸凹のメンバーをまとめるのは大変だけど、リスナーの皆さんと一緒に大きくなっていきたい」、RIONは「バラバラの個性を活かしながら、自分たちのコンプレックスや弱さも、リスナーに共感して貰いながら成長していきたい」、RYUICHIROは「これまでステージに立ったことがなかったから、不安要素もあったけど、楽しむことができた。これからもそうしていきたい」、RIKITOは「デビューという大きな関門を突破して、ライブ初日も突破できた。これからはツアー、武道館、ドーム、そして世界を目指したい」、JOSHは「今日の思い出は一生残ると思うし、できる限りの努力をして、このステージに立てたことは感慨深い。ODDLOREに入ってよかった」、YUIは「心や体が大変なときでも、そばに置いておきたくなるような、すっと安心できるような作品を作っていきたい」と話した。
また、10月29日、11月26日、12月24日と以降3か月にわたり、「Club Mixa」にて毎月定期公演を行うことも発表された。その期待の拍手に送られて、6人はステージを後にした。まだまだ謎が多いODDLOREだが、今回のライブを通して「6人の生身の部分」がそこに垣間見え、よりシンパシーが増したことは、この日を目撃したオーディエンスが感じたことだろう。今後発表されるであろう、JOSHとYUIにフォーカスした楽曲、そして今後の定期ライブなどを通して、ODDLOREというプロジェクトがどこまで広がるのか、そしてどんな姿を見せてくれるのか、期待を感じさせるイベントとなった。
Text by: 高木"JET"晋一郎
「ODDLORE FREE LIVE -Under Test- 01」SET LIST ※昼公演・夜公演共通
M1: Under Test Dance Performance
M2: Hazed Reality
M3: Lucid Dream
M4: The Revelation
M5: SKIN DEEP
M6: BRIGHT SIDE
M7: where I belong