2017年にステージデビューし、着実にファンを増やし続けているガールズユニット・chuLa(チュラ)。“チェキ”のフィルムにデビュー曲のQRコードを印刷し、紙ジャケットでパッケージ化するという業界初の試みで2021年5月26日に徳間ジャパンコミュニケーションズよりメジャーデビューを果たし、2022年2月16日に発売したシングル「ツラみ」はオリコンデイリーランキング4位&ウィークリーランキング5位を獲得するなど勢いづく彼女たちが、2022年2月26日に東京・中野ZERO大ホールにて『chuLa全国ツアーFINAL~NEXT STAGE~』を開催した。卒業が決まっている桜木妃奈、渡辺あやのを含めた、8人体制最後のワンマン公演。そこには、最強のかわいさとかっこよさと楽しさと感動が詰まっていた。
ステージが明るく照らされると、高々と拳を突き上げ横並びで立つ8人の姿が。今回は、chuLa初の生バンドライブ。ドラムカウントをきっかけに全力で歌声を重ねたのは、<会いたい 会いたい 会いたい 会いたい>という「Shooting STAR」のサビ始まりの部分だ。メンバーのイメージカラーを灯したサイリウムが揺れる客席に向かって、「全員、準備できてますか!?」「盛り上がっていきましょう!」「いくぞ!」とそれぞれに気合いの入った言葉を口にし、すぐさま「閃光8」へ。骨太なバンドサウンドに埋もれることのないパワフルな歌声に、大きなステージに映えるダイナミックな躍動。<チュララワールド>全開、これが私たちだ、と高らかに宣言するような「We are the chuLa」にしても。賑やかに突き抜ける「WAKU☆DOKIベイベー!」にしても。スペイン語で“かわいい女の子”を意味する“chuLa”だが、Cute、Happiness、Upper、Love、Activeの頭文字からなるグループ名は、彼女たちにぴったり。“超ハイテンポなアッパーチューン”を笑顔で連打する8人には、圧倒感さえある。
順繰り自己紹介したのち、「クラップお願いします!」「タオル回して!」とオーディエンスに呼びかけたのは、白い炭酸ガスがステージ前に噴き上がった「サマーアモーレ」。「次はちょっとだけ懐かしい曲です」と前置きした「キミキミキミ」では、8人がステージ際ぎりぎりに立って歌って歌うものだから、よりいっそう高まってしまう。
桜木の「生バンドで歌うってこんなに楽しいんだね!」という言葉に完全同意なメンバー、2021年12月から行っていた8都市ツアーを振り返り、「会場ごとにくじ引きで選ばれたメンバーがセットリストを組むのが新鮮だったし、個性豊かでめちゃめちゃ楽しかった!」と、手応え上々の様子だ。「トキメキCherry」「ポポポポペット」「ケ・セラ・セラ」「史上最強うぇぽん」「涙色星」が連なったメドレーは、桜木が言った通り「活動5周年というアニバーサリーに相応しい」ものに。<少しでも可愛くなりたい>という健気さ。元気よく何度も跳ねる姿。<好き>が止まらない一途さ。言葉遊びもりだくさんの中毒性の高さ。あふれ出す切なさ。どの表情もどの瞬間も、chuLaらしい。
「これまでたくさんの曲をみんなに届けてきたんだな、って今あらためて実感しています。私は、chuLaに加入してから4年。たくさんの人に出会って、みんなからたくさんの愛をもらいました。いつも、気持ち届いてるよ。本当にありがとう。思っていることを口に出すのは苦手だから、いつもはなかなか言えないけど。今日は、曲でたくさん伝えられたらいいな、と思います」そう言った佐藤まりんはじめ、ていねいに、大切に歌をつないでいった「ギュッと溢れ出す愛情」。歌声で、全身で感情を解き放つように届けた「スッと君が消えていく感情」にしても然り、彼女たちの魂を宿したナンバーに、どうしたって心が動く。冬の景色が思い浮かぶ振り付けや、手をつないだり、隣り合ったりして歌う姿も印象的だった、胸キュンソング「SNOW SNOW SNOW」。<ツラみが深い>日々でも、<わたしが一番カワイイ‼><わたしが一番エライッ‼><わたしが一番愛しい‼>と、強引にでも自己肯定感を高めて生きていこう、と思える「ツラみ」。最新シングルの曲たちは彼女たちの幅広い表現力を開花させているな、とも思う。少々物騒ではあるけれど、全員攻撃という4文字が思わず頭に浮かんだ「ちゅららんレーサー」から、間髪入れずになだれ込んだ「完全無敵あいうえお」。「終わりだと思った? 甘いんだよ、もっと全力でかかってこい!」とサビを何度も繰り返して、メンバーがOKサインを出したかと思ったら、バンドメンバーが「まだまだ!」とまさかのスパルタモード。長引くコロナ禍にあってオーディエンスが大きな声で歌うことはできなくとも、一体感が確かにある。
渡辺「今日は本当に最高の1日でした。ひとりひとりの未来に向けて、歌います」
桜木「私とあやのは卒業するけど、これからもchuLaは続いていくし、みんなの人生もずっとずっと続いていきます。だから前を向いて、一緒に歩んでいきましょう」
新たな道を歩むことを決めた2人の言葉から、「FIGHTING DREAMER」へ。サイリウムが揺れる客席を見渡しながら、8人でステージに立つ時間を愛おしそうに歌う桜木と渡辺。そんな2人の頭を優しくポンポンしたり、肩を組んだり、みんなでアイコンタクトをしたり、向き合ったり、手をつないだり。「ひなちゃん、わたちゃん、今まで本当にありがとうございました。2人がいてくれたから、こんなに素敵なグループができたし、嬉しいことは分かち合って、辛いことは乗り越えることができました。だから、今日だけは2人だけのためにこの曲を歌わせてください!」と佐藤が言って、最後は桜木と渡辺にありったけの愛と感謝をぶつけた6人。<進め どんな荒んだ道でも 君となら越えていけるよ>という餞と、<夢 叶えていこう>というそれぞれの誓い。ギュッと抱きしめ合った8人の姿を、決して忘れない。
そして、chuLaは、2022年6月から8月にかけて『chuLa全国野外ツアー「ATTACK SUMMER」』を開催することが決定。6月19日(日)北海道・札幌市北3条広場、7月16日(土)名古屋、7月23日(土)福岡、8月14日(日)大阪・大阪南港ATC 海辺のステージ 、8月31日(水)東京・代々木公園 野外ステージという5公演に、新体制で臨むことになる。どんな困難も乗り越えて、夢を追い続けるchuLa。彼女たちは、力強い歩みで道を切り拓いていく。
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PHOTO:TOMOT