仮想少女からなるジュヴナイル・コミューン『十五少女』が『ケイゴイノウエ』によるキャラクターデザインを初公開。同時に、8月32日にリリースとなる「死」をテーマにしたE.P.「HATED」から先行シングル第1弾「還る」を発表。

これまで、明らかになったのは声のみ、それ以外、全てがベールに覆われた『十五少女』の最新シングル「還る」が、本日リリースされた。今作は、終わらない夏の終わり:8月32日に発売が予告されているE.P.「HATED」からの先行シングル。

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十五少女「還る」
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今作の作詞・作曲を手掛けたのは『かいゑ』。そのデカダンスな音楽性は、分類不可の広域な独創に終始している。ごく標準的な数分を擁する楽曲だが、それを聴き終えた後に広がるのは、宮沢賢治の長篇や中原中也の詩集の読後感、あるいは、映画館を出た直後に眩し過ぎる日常への過敏な倦怠感が溶け込んだ空の蒼白さのようだ。

普段はボーカロイドによる楽曲を発表している『かいゑ』が、これまでにも、赤裸々に、あえて、冒涜的にも描いてきた『誰にも必ず訪れるからこそ不平等に感じられる死の冷ややかさ』は、ボーカロイドでこそ表現できる旋律として、人が歌うには余りに難しく配置されてきたが、今回、十五少女の『猪野アン』は、表面張力のような瀬戸際の美しさでそれを謳い切っている。

十代の少女が、あえて「死への嫌悪(HATED=嫌悪は、DEATH=死のアナグラムになっている)」を真正面から歌う事に意味がある事は、この音源を聴けば伝わるはずだ。聴き手も、作り手も、歌い手も、皆、死にゆく人間だからこそ伝わる痛烈な何か・・・『不条理で圧倒的な死に対する非力さから生まれる強さ』のようなシンパシーが、そこには確かに在る。

同時に公開された『猪野アン』の描かれた大胆不敵で緻密なジャケットにも、注目が集まっている。

これまで声のみの存在であった十五少女の姿(イラスト)が、初めて公開された形だ。

ジャケット・デザインを用いたTeaser Movie:

キャラクターのデザインを手掛けたのは、人物を象(カタド)るシンプルな線とエキセントリックな視覚エフェクトを駆使したイラストともムービーとも言える次世代デジタルアートで、国内外から大きな注目を集めるアーティスト『ケイゴイノウエ』。渋谷や秋葉原を自身のアートでジャックした仮想未来的都市を描いた代表作を目にした人も多いはずだ。これまでリリースされた十五少女の2枚のシングルに描かれた楽曲のペルソナもケイゴイノウエによる作品だったことが、今回、判明した。

(ケイゴイノウエ / twitter:代表作の消灯要請で暗闇に包まれた渋谷をジャックしたアート作品)

加えて、グラフィックやロゴのデザインを手掛けたのは、ケイゴイノウエとも親交のある『ゆうたONE』。自らをヘッズとオタクの間で揺れると称する通り、ストリートとインターネット・カルチャー、あるいは、アナログとデジタルを自由自在に行き交うスタイルで独歩するデザイナーであり、タイポグラファーでもある。多くのクリエイターから熱烈な支持をもってサンプリングされ続ける超高質フリー・フォントは圧巻。十五少女のオリジナル・フォントも彼の手によるものだ。

(ゆうたONEの最新フリーフォント「トイライターマーカー」)

十五少女が歌うのは、大仰なメッセージでも理想的な愛でもない。多感な時期を普通に生きる若者が感じている「言い様のない不安」や「行き場のない焦燥」など、ありきたりに見えて、なかなかハードな日常の機微に寄り添った『ミクロ・ミュージック』と呼ばれる些細な大事だ。

今後、夏の終わりに向けて、5作連続でリリースされていく「HATED」シリーズ。

この旅路は、きっと、最高に挑発的な挑戦になる。


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