織田かおり「心は密だよ!」 新しいライブ様式でも魅せたファンとのコール&レスポンス

織田かおり

織田かおりのソロライブ ”We Are Here” が2021年5月8日、赤羽ReNY alphaで開催された。

コロナ禍でライブが出来なくなって以来、初の観客あり配信LIVEとなる本公演、限定数の貴重な席を手に入れた観客の表情はマスクで見えないが、来場者特典のTシャツに着替え、同じく特典のペンライトとうちわを持ち、ディスタンス席に座って開始まで静かに熱量を溜めていた。

オープニング、暗闇の中で期待感を煽るSEと共に、上手からバンドメンバーがIN、続けて織田かおりがステージINすると、今回のライブタイトル”We Are Here” を象徴するような「PLACE」からライブが始まる。

着席で声を出せない状況下で、距離感を確かめるようにペンライトを振る観客を鼓舞するように、きらめく薄いパープルグレーのシフォンのミニ丈衣装に黒いショートブーツ姿の織田が、拳を振り上げて「心の中で(一緒に歌って)!」と叫ぶ。

続けて「RUN-LIMIT」の疾走感あるグルーヴで更に観客を鼓舞する織田かおりとバンドメンバー。

その後のMCでは万全の体調管理をして会場に遊びに来てくれた方への御礼と、同様にこの日を楽しみに配信を観てくれている方への御礼を述べ、今日も一人ひとりの笑顔がしっかりとステージから見えているよと言い、人気曲「precious places, precious faces」への導入を作った。

冒頭から慣れた様子でクラップで参加する観客は、少し解れてきたところで、久しぶりに披露された楽曲「煌めきの扉」の世界に埋没し、青い光の中を泳ぐように嫋やかに歌う織田に向かって、思い思いにペンライトの色を変え応援を送っていた。

続く「日の当たる場所へ」では、ひだまりを感じさせる暖かみのある光の中、こちらも今にぴったりなメッセージの世界観を歌いあげる歌姫の、音の一粒一粒を味わうように、動きを止めて静かに聞き入る観客の姿が見られた。

そして人気曲「Brilliant World」が始まると、一気に客席に熱量が戻り、一心不乱にペンライトを振る観客とその様子を見ながら楽しそうに笑う織田の姿が、やっといつもの場所に帰ってきたことを感じさせ、「No sing, No life」ではそれが更に加速。

新しい形でのライブに慣れてきた観客がいつもの調子を取り戻し、ペンライトを振って応援する手に力が漲っていくのが分かった。

MCでは初めてのペンライト応援にご満悦だと言う織田、うちわも暑くなったら煽げるからいいねということで、バンドメンバーを煽いであげるシーンもあり、会場を和ませた。

「ちょうど前日が2ndアルバム『Colors』の発売日(2014年5月7日発売)だったので、1stアルバムと2ndアルバムの懐かしい曲をやっています」と言い、そのまま1stアルバムの人気曲「始まりの記憶」のイントロが流れると、現地にも配信画面前の観客にも平等に、一人ひとりの心に届けるように丁寧に歌いかける織田と、それに応えるように頷きながら聞き入る観客の構図が美しく心を打った。

そのまま代表曲「ゼロトケイ」のイントロが始まると、透明感ある歌声が紡ぎ出す、織田かおりの叙情味溢れる世界に、動きを止めてすっかり埋没する客席。

続く「Cleome」では一転、妖艶なパープルライトの中、大人の女性の表情でジャジーに歌い上げる織田が観客を魅了し、こちらも人気曲「ふたり綾とり」が始まると、織田の手振りに合わせてペンライトと手振りで応える客席が、もっと加速して熱を帯びていくのが分かった。

「本当に超楽しい、ありがとうね」と笑顔で御礼を言い、「やっと音楽しているっていう気がする」という織田に客席から拍手が飛ぶ。

いつもと違うライブ形式になるので、今回はあえて久しぶりの曲や新しい曲を選んだセットリストにした、と言ったところで、恒例のバンドメンバー紹介をし、バンドメンバーの名前が呼ばれるたびに拍手とペンライトでメンバーに力強く称賛を送る客席と、それに音で応えるバンドメンバーの姿が微笑ましく印象的だった。

また、今回は織田が音楽プロデューサーとして関わっている、ドラマCD「DIG-ROCK」シリーズよりセルフカバー2曲を初披露。

「Identity」では激しく体を振りながら、骨太なバンドサウンドを背負って正統派なロックを歌い上げ、「Ride the Wind」ではこちらもザ・ロックなグルーヴを全身で表現、初めて観る織田のハード・ロックなパフォーマンスに客席からも憧憬と称賛の拍手が惜しみなく注がれた。

後半戦、「ここから盛り上がっていくぞー!声出すなよー!飛び跳ねるなよー!」と言う新しい煽りをする織田に対し、笑顔でうちわやペンライト、拍手を交えて応える観客のコール&レスポンスを経て、人気曲「Blazing Star」が始まるとペンライトが色とりどりの色を灯して勢いよく揺れる。

心底楽しそうにステージで飛び跳ねながら笑う織田が、そのまま考えるよりも先に体が動くように「Maze」を歌い始め、ステージでの存在感にも粘度が増していく。

続く「エスケープ」でも翼を得たように自由に歌い、パフォーマンスする織田がいわゆるゾーンに入ったように無敵のオーラを放ち始め、客席の温度も上がり続けていく。

そこで客席の抑えきれないボルテージを察した織田が「いいよ、立って」と許可を与えると、速やかに一斉に立ち上がる観客。

「GRASPS」演奏中、あくまで声は出さず、紳士的に淑女的に思い思いに夢中でペンライトを振り上げながら、そのまま続く「true colors」を迎えてボルテージが最高潮に達したところで、熱狂と一体感が増した観客のペンライトが赤色に変わり、いつものクラップを交えながら人気曲を全身で感じ、盛り上げていた。

あっという間に本編が終了し、ステージ上から織田とメンバーがいなくなっても興奮冷めやらぬ観客は、まだまだ、もっと欲しいと言う風にうちわを叩き、リズムを少しずつ変えながらスタンディングで力強くコールを送り続けていた。

そこにバンドメンバーと共に、黄色いライブTシャツに白いパンツ姿で再登場した織田が、のっけから最新アルバムの「Alstromeria」の冒頭をアカペラで披露。

静寂を切り裂くように始まった粋な演出に、魅入られたように静まる客席。

そのまま「花はうつつに」が始まると、ライブグッズのタオルを振って客席を煽る織田と、前半までの固さは脱ぎ捨てて、自由にペンライトやタオルを振って楽しむ観客の構図が繰り広げられ、ただ声援が無いだけの、いつもの織田かおりのライブがそこにあった。

アンコールのMCで、「皆たくさんクラップをしてくれたので手が痒くなってない?大丈夫?」と気遣いながら、いつもの景色が見えてすごく嬉しかったと御礼を言う織田。

「途中で出していないはずの歓声が聞こえたような気がしたでしょ?昨年行った無観客配信ライブのリモートレコーディングに参加してくれた人たちの声を今回使わせていただきました、この音源は6月には出したいと思っています」と発表。

「来年は15周年になるので、もっと色んなことをやりたいと思っています、これからも織田かおりについてきて下さい、お願いします」と織田が述べると、客席から力強く惜しみない拍手が送られた。

アンコール最後の曲「Calling」では、更に艶を増す織田の歌声のシャワーを全身で受け止めるように立ち尽くす観客の姿が非常に印象的で、バンドメンバーの紡ぎ出す音にも一層の磨きがかかり、全21曲、素晴らしいLIVEの余韻をかき回すように、この日のステージの幕が閉じた。

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