浦井健治、東京国際フォーラムにて開催された『浦井健治 20th Anniversary Concert ~Piece~』(夜公演)のオフィシャルレポートが到着!

浦井健治

Photo by 国府田利光

俳優デビュー20周年を記念して、3月に2ndオリジナルアルバム『Piece』をリリースした浦井健治が、4月20日に「浦井健治 20th Anniversary Concert ~Piece~」(東京国際フォーラム・ホールA)を開催。2016年以来、2度目のソロコンサートとなった公演(夜の部)のレポートをお届けする。

「浦井健治 20th Anniversary Concert ~Piece~」の1曲目を飾ったのは、ミュージカル曲とは異なる歌唱で届けた「きれいは汚い、ただしオレ以外」。

2018年に“ランダムスター役”を演じた新感線☆RSの舞台『メタルマクベス』の劇中代表曲だ。

シャウトをしたり、ジャンプやヘッドバンキングを見せるなど、“ROCKな浦井健治”は1曲目から会場内の温度を上げていく。

ステージ後方のスクリーンには、デビューしてからこれまでに出演した作品名や舞台フライヤーが年代順に次々と映し出される。

それはまさに彼が歩んできたデビューから20年の軌跡であり、一つ一つ積み重ねた日々が“今の浦井健治”を形作ったのだと思える映像だった。

続いて歌ったのは、舞台『天保十二年のシェイクスピア』の楽曲「浮気もの、汝の名は女」。

コロナ禍で公演が中止になるという経験をした舞台だっただけに、きっと彼はこのコンサートでこの歌をあらためて届けたかったのではないだろうか。

最初のMCで彼は「本当に、本当に、コンサートがやれていることが嬉しくて」と、広い会場を見渡しながら満面の笑みを見せ、「みなさんも笑顔になっていってください」と言葉を続けた。

2ndアルバム『Piece』に収録されていた「ゲームの始まり」「六弦の怪物~クロイツェルより~」では、重低音を響かせるバンドサウンドと溶け合うように、嘆きや悲しみに支配されたダークな世界を作り上げた。

「笑う男」と「目を開いて」は、2019年に主演を務めたミュージカル『笑う男 The Eternal Love~永遠の愛~』の楽曲。

この舞台の再演が2022年に決まったことを思うと、浦井が“未来”の自分にバトンを手渡しているかのように思えた選曲だった。

「この景色を絶対に忘れない」「また今日も頑張ろうと思える」と、会場に足を運んでくれた人、会場には来られなかったけど遠くから応援してくれている人、様々な思いをかみしめるように話した姿はとても印象的だった。

「星から降る金」は、自分が出演していないミュージカル『モーツァルト!』の楽曲ではあるけれど、「この物語に出てくる“王子”の目線で歌いたい」とアルバムにも納められ、その歌声は、まさにミュージカル『モーツァルト!』の中の“王子”が目の前に飛び出してきたようだった。

「私だけに」(ミュージカル『エリザベート』)を歌い終えると、夜の部のゲスト・平方元基が登場し、ミュージカル『ロミオとジュリエット』の楽曲「どうやって伝えよう」と「もう君以外愛せない」(Kinki Kids)をデュエット。

これまで浦井と平方は、ミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』や『マイ・フェア・レディ』などで同じ役を演じることもあり、また、ミュージカル『ロミオとジュリエット』でもロミオの友人・ベンヴォ―リオ役を演じた2人が、同じ舞台上で一緒に「どうやって伝えよう」を歌う姿はなかなか見ることができない貴重なシーンになった。

また、2人もさぞかしこの歌を一緒に歌えることを嬉しく思っていたに違いない。

普段から“健ちゃん”“元基”と呼び合うほど仲がいい2人。

「僕の弟」(浦井)、「いつも健ちゃんの背中を見続けてきた」(平方)と、お互いを思い合う2人の関係性が伝わって、アットホームな空気感を作ってくれた。

平方のソロでは「MajiでKoiする5秒前」(竹内まりや)のカバーも披露してくれた。

平方が舞台からはけると、衣装替えをした浦井が再びステージに登場し、K-POP的なサウンドアプローチをほどこした「Keep on Smiling」、コロナ禍における一人ひとりの思いに寄り添った歌詞が刻まれた「シアワセノカタチ」を立て続けに披露。

コンサートの中盤には、映画『千と千尋の神隠し』主題歌「いつも何度でも」(木村弓)、浦井が学生時代から大好きなバンド・L'Arc〜en〜Cielが2000年にリリースした「STAY AWAY」、俳優デビュー作「仮面ライダークウガ」のエンディング曲「青空になる」と、デビュー当時に世の中を彩っていた楽曲たちが並んだ。

「青空になる」を歌い終えると、「人と人とのつながりを保つのがこんなにも難しい世の中になってしまったからこそ、エンタテインメントでみなさんを笑顔にしたい」「今、こうしてみなさんの前に立ち、歌える喜びをかみしめている」と、静かに語り、「どんな形でもエンタテインメントは続いていくと、ベストフレンドに教えてもらいました」と言葉を続けたあと、「Best Friend」(Kiroro)を歌った。

ステージ後方の大きなスクリーンに何枚も映し出されたのは、ファンとのスナップ写真。

ファンクラブイベントなどで撮影されたその写真の中にいる浦井は、どれも笑顔だった。

浦井が作詞を手掛けた「Color of Dream」(1stアルバム『Wonderland』収録曲)を歌い終えると、「大好きな曲。大切な曲」と紹介した「Stranger」を届けた。

父と息子の物語を紡いだ舞台『ビッグ・フィッシュ』で父親を亡くす息子・ウィルを演じた浦井だからこそ、彼自身の亡き父への思いが重なり合った感情が歌の中に息づいていた。

この曲から引き継がれたのは「終わり方」。

同作の中で父・エドワードが歌った楽曲だ。

そう、浦井はこの2曲で父・エドワードと息子・ウィルの両方の感情とお互いを思いやる気持ちを切り替え、それぞれの立場で歌っていたのだ。

「The Origin Of Love」(舞台『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』)でロックな歌唱を届け、ステージを鮮やかに彩り、本編最後に「明日があるさ」(坂本九/ウルフルズ)をカバーした。

“いつかきっと”“明日があるさ”と繰り返し歌われるこの曲は、コロナ禍で様々な思いを抱えながら日々を生きているみんなに贈る浦井からのエールだ。
そのエールに応えるように、観客たちの手拍子がどんどん大きくなっていく光景は、とても印象的だった。

アンコール。とびきりの笑顔で再びステージに登場した浦井は、最後に「Piece of peace」を歌った。

この曲は、“少しでも前を向いて平和(Peace)な日々を過ごせるように、自分はその希望を描くひとつのカケラ(Piece)になれるように“という思いと願いを込めて『Piece』と名づけたアルバムのラストに収録したオリジナル曲だ。

いつでも君の笑顔を願い、いつでも君に想いを寄せて――。

歌詞の中に刻んだ思いは、彼の優しい笑顔と共に観客の胸と記憶に刻まれたことだろう。

そして、浦井にはそのマスクの下の笑顔が見えていたにちがいない。

すべての楽曲を歌い終え、会場内を何度も見渡しながら深く一礼し、ゲストの平方を迎え入れたあと、スタンディングオベーションの拍手に包まれながら「愛してる~」「またね」「元気でね」と叫んだ。

浦井の歌と笑顔は幸せのギフトだ。

そして、そのギフトを受け取った観客たちは、さらに大きな愛を浦井に贈ったことだろう。

たくさんの愛と笑顔に満ち溢れた20周年記念コンサートは、浦井自身にとっても、どんな時も前を向いていこう、また頑張ろうと思える糧となり、未来へと続いていく新しい一歩になったはずだ。

文・松浦 靖恵

タイトルとURLをコピーしました